米下院金融サービス委員会は24日、米証券取引委員会(SEC)の活動に関する公聴会を開催した。米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長をはじめとするSEC委員が証言に立ち、フェイスブックの仮想通貨リブラや米国での仮想通貨規制について意見を述べた。
リブラ批判議員再び
公聴会冒頭、下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長は、フェイスブックのリブラについて言及し、「フェイスブックは米ドルに匹敵する新しいグローバル金融システムを確立しようとしているようだ」と語った。
ウォーターズ委員長は、米議会でのリブラ批判の急先鋒となる人物だ。フェイスブックのプライバシー問題に対する懸念から、リブラ開発中断を求めている。
ウォーターズ委員長は、リブラに対する最近のドイツやフランスの批判について触れた上で、SECのリブラに対する考えについて質問した。
クレイトンSEC委員長は、リブラについては直接明言せず、デジタル資産が金融エコシステムの既存の規制を回避することになれば大きな問題であると回答。一方でクレイトン氏は仮想通貨自体の意義については肯定する考えも述べた。
SEC内にリブラ専門チーム
エマニュエル・クリーバー議員は、フェイスブックの「全ての規制上の懸念に対処しない限り、リブラを立ち上げない」との言葉を引用し、クレイトンSEC委員長にフェイスブックに懸念は伝えているのかと問いただした。
クレイトン氏は、SEC内でリブラ担当のチームがあり、リブラのもたらす問題について検討しており、フェイスブックとの間にコミュニケーションがあることを明かした。
海外へのイノベーション流出の懸念
デイビッド・スコット議員は、フィンテックの規制状況について、SECメンバーに質問した。
パースSEC委員は、フィンテックの技術開発の多くが海外で行われていると答え、「フィンテックの開発が米国でできるよう、規制を明確化させていきたい」と述べた。
アンソニー・ゴンザレス議員も規制問題について触れ、仮想通貨関連のイノベーションが規制の欠如によって米国から離れてしまうことに懸念を表明。クレイトンSEC委員長に対して「SECから具体的な取り組みを期待できるのか。(規制の)不確実性を取り除くことはできるのか」と述べた。
データセキュリティにブロックチェーン活用を
バリー・ラウダ―ミルク議員は、SECが持つデータはならず者国家やサイバー犯罪者のターゲットになるとの指摘した。
仮想通貨推進派であるウォーレン・デイビッドソン議員は、ラウダ―ミルク議員の懸念に同意し、解決策としてブロックチェーンを導入するべきだと主張した。
「ブロックチェーンがこの国が抱えるデータセキュリティの懸念について答えとなることを願っている」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版