ゴールドマン・サックスが出資しているサークル・インターネット・ファイナンシャルが、同社の仮想通貨投資アプリである「Circle Invest」に、「初心者」が市場により簡単に参加できるようにする新機能をローンチした。

 ブルームバーグが22日に報じたところによれば、「Buy the Market(市場を購入する)」という名前を授けられたその機能は、上場しているコインを個別に選択するのではなく、すべてのコインに対して一度に投資できるようにするオプションを顧客に提供するものだという。アプリはコインの時価総額のウェイトに応じて投資額を(最低1ドルに)分割するようになっている。

 Circle Investが対応しているコインはビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、ライトコイン(LTC)、Zキャッシュ(ZEC)、モネロ(XMR)の7種類だ。

 サークルのジェレミー・アレールCEOはブルームバーグに対して次のように話している。

「個人(一般)投資家による投下資本の大部分は、それが株式か債権か、通貨か仮想通貨かによらず、より受動的に管理されている。もしあなたが(仮想通貨の)初心者なら、これは一般投資で実証済みのモデルだよ」

 アレール氏はブルームバーグに対し、最小投資額を低く設定することで、同社はより多くの人々に対して仮想通貨に投資する道が開かれることを期待していると強調した。アレール氏は、サークルの「Buy the Market(市場を購入する)」オプションは、米国の仮想通貨取引所コインベースの類似サービスであるフォー・コイン・インデックス・ファンドを、もっと大衆向けにしたバージョンであると主張している。そのサービスとは、100万ドル以上の純資産もしくは20万ドル以上の年収のある、「認定済み」とされた米国の投資家にのみ開かれているものだ。

 アレール氏は、他社はその投資家基盤を縮小するかもしれないという考えを示した。米国の証券取引委員会(SEC)がさらに多くのトークンを有価証券として分類し、取り締まりを強化する懸念があるためだ。しかしアレール氏は、サークルに上場しているコインはこのカテゴリに分類されないと考えていると強調した。特に、イーサリアムは最近、2014年のプレセール中に売られたETHが米国法の下で有価証券に当てはまるのではないかという議論渦中にあるが、多くの論者はその問題からは逃れらるだろうと主張している

 また、アレール氏はブルームバーグに対し、サークルが2月に仮想通貨取引所の大手であるポロニエックス社を買収したために、同社は規制問題の明確化にSECと共に携わることになったと語った。

 ちょうど先週、仮想通貨マイニングハードウェアを製造するビットメイン社が主導していた、1億1千万ドルの資金調達ラウンドをサークルがクローズしたとのニュースが報じられた。また、2社は米ドルと連動の「ステーブルコイン」を18年夏までに開発する提携を結んだことも発表した。この投資により、サークルの評価額は300億ドル近くになり、16年以降で6倍以上の成長を遂げている。