フェイスブックの独自仮想通貨「リブラ」の発行体であるリブラ協会の幹部は、リブラの発行を2020年以内に行うの見通しを示した。フランスのニュースメディア「レ・ゼコー」とのインタビューで語った。また中央銀行などからの批判に対して、「我々はブラックロックにはならない」と反論した。

リブラのローンチ、2020年以内に

レ・ゼコーは12日、リブラ協会のゼネラルディレクター兼COOを務めるベルトランド・ペレス氏(Bertrand Perez)へのインタビューを掲載した。

リブラに関して世界各国で議論巻き起こっている中で、ぺレス氏は「規制当局と協力していく」姿勢を強調。また仮想通貨の規制枠組みが「多くの国ではまだ明確ではない」とも指摘した。

リブラのローンチについては「2020年上半期終盤から年末までの間でローンチのスケジュールをしっかりと維持していく」と発言した。

中国の人民元は「含まない」

リブラは円やドル、ユーロなど複数の主要通貨のバスケットとペッグする予定だ。ぺレス氏によれば、日本円、米ドル、英ポンド、シンガポールドルが99%を占めるとしており、米ドルがそのうち半分程度になるという。中国の人民元は「含まない」と述べている。

複数の通貨で構成する準備金(リブラリザーブ)は、短期国債で運用される予定。ぺレス氏によれば、準備金の保全のため、12の銀行と協力すると述べている。準備金の規模は「数百億ドル、おそらく2000億ドル以下になるだろう」と述べている。

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リブラ批判に反論

リブラリザーブの存在が、金融政策に影響を与えるのではないかとの懸念が各国の中央銀行などから出ているが、ぺレス氏はむしろ「中央銀行の政策が、リブラのバスケットに影響を与えるのであり、その逆ではない」と反論する。

さらに、世界最大の運用会社であるブラックロックを例に出し、「新しいブラックロックになるつもりはない」と強調した。

「だからこそ、私たちの準備金が中央銀行の金融政策に影響を与えるという懸念は、根拠がないようにみえる」

将来はアジアにも拠点

リブラ協会には、現在フェイスブックやVISA、ウーバーなど28の企業・団体がメンバーとして名を連ねている

ぺレス氏によれば、リブラ協会自体には約10人のスタッフがおり、ジュネーブのほか、サンフランシスコにも拠点を置いているという。また将来的にはほかの欧州諸国やアジアにも拠点を置く考えという。

編集・翻訳 コインテレグラフ日本版