フェイスブックの独自仮想通貨「リブラ」。そのリブラの裏付けとなる資産の詳細が明らかになった。ブルームバーグの9日の報道によれば、リブラの準備資産には米ドル、ユーロ、英ポンド、シンガポールドル、そして日本円が含まれる。中国の人民元は準備資産のバスケットからは除外される可能性が高い。
ブルームバーグによれば、フェイスブック側が、準備資産の詳細について米上院のマーク・ウォーナー議員(民主党)に対して回答したという。
ウォーナー上院議員は、中国がリブラの発行体となるリブラ協会に人民元を含むように要求することを懸念。フェイスブック側にその懸念を伝えた。フェイスブックは、ウォーナー議員の懸念に対応したようだ。
ただ、フェイスブック側は、ウォーナー議員に回答する際、最終的な決定はフェイスブックではなく、発行体であるリブラ協会が行うと述べた。
「リブラの準備資産にどおの通貨を追加するかどうかの決定は、直接的または間接的な規制上の制限を含む、すべての事実と状況に基づいて行われる」
またフェイスブックは、リブラの発行について、規制上の懸念に対処することを改めて表明した。
「リブラ協会は、規制上の懸念に完全に対処し、その法域で適切承認を受けるまで、デジタル通貨リブラをその法域で提供しないことを理解している」
リブラ 対 中国独自デジタル通貨
中国は、フェイスブックのリブラに対抗し、独自のデジタル通貨を発行する構えだ。
中国は8月、中国人民銀行が発行する独自デジタル通貨は「もう準備ができたと言える」と表明した。
中国に専門家によれば、このデジタル通貨は現在複数の試験を実施中であり、リブラより先に発行される可能性も指摘されている。11月11日の中国の「独身の日」に発行されるのではないかとの観測も浮上している。
中国人民銀行の幹部は、中国のデジタル通貨が「リブラと類似点がある」とし、アリペイやウィーチャットペイなど、主要な決済プラットフォームで利用できるようになると語っている。
中国のデジタル通貨はリブラに対抗するものとみられている。中国人民銀行の元総裁である周小川氏は、「リブラの潜在的リスクに予防措置を取るべき」と主張している。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版