ノーベル経済学賞スティグリッツ教授「仮想通貨リブラは新興国経済を不安定に」、自己矛盾の「暗号通貨」とも

ノーベル経済学賞受賞者であるスティグリッツ教授は、日経のインタビューの中で、フェイスブックの独自仮想通貨リブラによって「新興国・途上国の通貨が不安定になる恐れがある」と警鐘を鳴らしている。

アルゼンチンなど通貨危機に陥った国では、自国通貨の価値が急落することで、米ドル需要が急増する傾向があるが、リブラが導入されれば、その対象がリブラになるというのがスティグリッツ教授の見方だ。

「アルゼンチンでは通貨ペソから米ドルに資金が逃げて通貨危機が起こった。リブラができれば、新興国・途上国の通貨が、ドルの代わりにリブラに交換されて不安定になる恐れがある」

またリブラが仮想通貨(暗号通貨)である点は自己矛盾だとも指摘する。「暗号」といいながら、透明性が高いからだ。

「リブラは暗号通貨だが透明性が高いと言っている。そもそも透明性の高い暗号通貨というのは矛盾がある」

「リブラが計画通りに誕生するとは思わない。すべての金融規制に従って透明性を高めれば、もはや暗号通貨でなくなり、何のためにリブラが要るのかという話になる」

スティグリッツ氏は、アフリカでのフィンテック導入の事例を挙げ、仮想通貨を使わなくても、金融のデジタル化で効率化を進めることはできると主張する。その上で「デジタル通貨は金融政策に役立つ可能性もある」と付け加えた。