ザッカーバーグCEOがリブラに関する議会証言で有る事無い事厳しく詰問された23日にビットコインは急落。中国の習近平国家主席がブロックチェーンを中核に置くと発言したと伝わった25日にビットコインは急騰。ビットコイン相場は、まさにNews Driven(ニュース主導の)相場になっている。

そして、仮想通貨やブロックチェーンなど新しい技術を率いるリーダーは、もはやアメリカではなく中国であることが浮き彫りになった1週間と言えそうだ。

既報の通り、フェイスブックのザッカーバーグCEOが臨んだ議会証言は、カオスそのもの。民主党議員を中心に、ワクチン、政治広告、LGBTC …とリブラとは関係ない質問を連発した(いや、質問すらせずに5分間の独演会を行なった議員もいた)。デジタル時代の覇権を握るのは誰か?と問われているにも関わらず、有権者向けのパフォーマンスに終始した米議員たち。「フェイスブックだから」と全否定する米国の隙を中国が見逃すわけはないだろう。

また、G20も18日、仮想通貨リブラ含むステーブルコインの厳格な規制を導入することで合意。日銀の黒田総裁も「新興国で、大規模な顧客基盤を持つステーブルコインが広く利用されるようになったら、何が起こるか懸念が出ている」と後ろ向きな姿勢に終始した。

しかし、中国がG20の合意を守って、一緒に規制の整備を待ってからデジタル人民元なりステーブルコインなりの開発を進めると本当に思っているのだろうか?

リブラがコケている間に中国が独自のデジタル通貨で世界を牛耳るという警告は、日本の経済界の大物からも相次いで出ている。米政府全体の仮想通貨に対する姿勢が根本的に変わらなければ、強気相場は来ないとみる著名アナリストも多い

確かに、習主席はデジタル通貨や仮想通貨には言及していない。中国国内での仮想通貨取引所の運営は禁止されたままだ。しかし、仮想通貨市場は歓迎した。中国がデジタル通貨の開発を人民銀行主導でアリペイやウィーチャットを巻き込んで猛烈に進めていることを知っているからだ。

誰かトランプ大統領にビットコインは2100万BTCしかないのに中国が全部買おうとしていると言ってやってくれ」という半分冗談、半分本気の心配の声も出ている

”SatoXi Nakamoto”

この日、仮想通貨業界関係者のSNSには”SatoXi Nakamoto”がという言葉が出現した。Xi (シ)とは習主席の名前。これにビットコイン創設者のサトシ・ナカモトをかけたものだ。習主席の今回の発言に対する業界からの敬意の表れだ。「仮想通貨の父」は習主席だという声も出ている

日米欧の政府は、仮想通貨に対する姿勢を見直す時期に来ているだろう。