若者の不満がビットコイン価格を押し上げる＝アナリスト予測

現在の金融システムに失望し、公共支出の拡大による社会主義的制度を求める若い世代の台頭が、長期的にビットコイン（BTC）価格の上昇を促す――市場アナリストのジョルディ・ヴィッサー氏はそう予測している。

起業家アンソニー・ポンプリアーノ氏のポッドキャストに30日（日）に出演したヴィッサー氏は、25歳以下の若年層が、AIによる雇用喪失や経済的不安定さに直面しており、その結果として、資本主義体制を放棄し、公共支出による社会保障拡充を求める声が強まっていると語った。

「若者たちは“今のシステムはいつか立ち直る”とは考えていない。むしろ、年々悪化していると信じている」とヴィッサー氏は述べた。

「人々の怒りが高まれば高まるほど、政府はより多くのマネーを刷らざるを得なくなる。それがビットコインの価格が止まらず上がり続ける理由だ。人々が何と言おうと、ビットコインは時間とともに多くの法定資産を置き換えていく」と、ヴィッサー氏は述べた。

レガシー金融システムや既存の制度が信頼を失う中で、ビットコインの導入と価格に及ぼす社会・政治の変化について、アナリストの間での議論は続いている。

AIとロボットが資本主義を時代遅れに？

ヴィッサー氏はさらに、高度なAIや人型ロボットといった自動化技術が資本主義の基盤を根本的に揺るがす可能性があると警告した。富の集中と人間の労働需要の恒久的減少により、社会全体の再構築が不可避になるという。

「私は2013年から“加速度的イノベーション”の道に入り、それが資本主義の構造にもたらす危険性を考えるようになった。格差が広がり、ごく一部の人間に富が集中し続ければ、いずれ社会に深刻な問題が起こる」とヴィッサー氏は語った。

人型ロボットや自動運転車が、今後5年以内に商業的に広く普及するとの見通しも示した。

「ウェイモが自動運転車をマンハッタンに持ち込めば、さすがに社会も目を覚ますだろう。ウーバーが世界各地に進出した際も各地で抗議が起きたことを思い出してほしい」と、ヴィッサー氏は指摘した。