20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁は18日、フェイスブックの仮想通貨リブラを含むグローバルなステーブルコインに対する厳格な規制を導入することで合意した。ロイター通信が報じた。
G20議長国として日本が主催した記者会見で日銀の黒田総裁は、「ステーブルコインが持つ様々なリスクについて政策当局者から懸念が示された。このような懸念が払拭されるまで、ステーブルコインは発行されてはならないとG20が合意した」と話した。
法定通貨と連動させることで価値を安定させるステーブルコインのグローバル版について、世界の規制当局は懸念を強めていた。
G20開催に先立ち金融安定理事会(FSB)は「グローバルなステーブルコイン」が仮想通貨よりも脅威になるという報告を出した。FSBのランダル・クオールズ議長が示して脅威とは、消費者および投資家の保護、マネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)、脱税、反トラスト政策、サイバーセキュリティなどだ。
黒田総裁は、「新興国で、大規模な顧客基盤を持つステーブルコインが広く利用されるようになったら、何が起こるか懸念が出ている」と発言。新興国だけでなく、金融政策や金融システムの安定性に対して広範な影響が出る可能性があると述べた。