米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長で「仮想通貨の父」とも呼ばれた、クリストファー・ジャンカルロ氏は、スイス・ダボスで開催されたイベントの中で、デジタルドルを推進するプロジェクトの詳細について語った。仮想通貨メディアのザ・ブロックが報じた。
ジャンカルロ氏は今月16日、「デジタル・ドル財団」を立ち上げている。今回、ジャンカルロ氏は、米国での中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利点を語り、今後のプロジェクトの方向性について述べている。
以前にジャンカルロ氏がデジタル・ドルの構想を主張した際には、CBDCについて明示的に語っていたわけではなかった。CBDCは中央銀行が発行する点でほかのデジタル通貨やステーブルコインとは大きく異なる。
今回、ジャンカルロ氏は、デジタルドルイニシアティブが「ドルCBDCを確立するための実用的で、潜在的なストップとなるフレームワークを開発することだ」と明確に述べている。
「プロジェクトは最終的に、金融政策の有効性と金融の安定性を高めるCBDCソリューションのオプションを指向するものだ」
他国のデジタル通貨開発を警戒
ジャンカルロ氏は、依然として世界中の多くの中央銀行ではCBDCに対して懐疑的な状況にあると指摘。プライバシーやセキュリティ、マネーロンダリングといった課題も存在すると語った。
そういった懸念や課題にも関わらず、ジャンカルロ氏は米国でのデジタルドル導入は、他国が独自デジタル通貨を開発するという状況においては、「極めて重要」だと主張する。
「米国でのデジタルドルの導入は、安定した国際通貨という地位を維持するために重要になると考えられる」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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