先進国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)についてようやく議論を始める中、カリブ海に浮かぶ島バハマは2020年中に中央銀行デジタル通貨を始める計画だ。

バハマ中央銀行のジョン・ロール総裁はバハマドル(BSD)のデジタル通貨を2020年後半にも導入することを明かした。2月13日に地元メディアのザ・トリビューンが報じた

ロール総裁は、「サンド・ドル」と呼ばれる今回のイニシアチブについてバハマ商工会議所と雇用主連合に訴える形で話したという。

バハマはバハマドルに連動する独自のデジタル通貨のテストを今年前半に行うと発表。アバコ諸島で実験が行われると見られていた。

ロール総裁は、「アバコ諸島が最初に選択肢に上がった」と認めつつも、「アバコ諸島は全ての銀行が拠点を持っていることから金融包摂や金融へのアクセスが比較的厳しくはない」として、エグズーマ島から始めることを明かした。

バハマ中央銀行は現在、エグズーマ島でサインアップした1200人すべての登録を進めている。少なくとも2000人が今回のイニシアチブに興味を示したという。

法定通貨と同じと強調

一方、ロール総裁は、今回のデジタル通貨が法定通貨であるバハマドルのデジタル的な表示にすぎないことを強調した。

「我々は、通貨のデジタル的な表示手段を探している。異なる通貨ではなく、同じ通貨だ。法律的にも違わない。価値においても異なることはない。サンド・ドルは、バハマドルと異なる価格をつけら得ることはない」

またロール総裁は、今回のデジタル通貨「サンド・ドル」は当初は国内市場のみをターゲットにしている。ただ、外国通貨とリンクすることは可能だとも指摘した。ロール総裁は、「外国通貨のはっきりとした売買」がある限りにおいて、リンクは実現できると説明した。

バハマ中央銀行は、デジタル通貨発行スケジュールで他国より進んでいることにも言及。「今年後半まで(エグズーマ島以外の)バハマの他の地域にたどり着けることはないと思う」としインフラや法律の整備、サイバーセキュリティーの充実などの課題をあげた。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン