ウエスタンユニオンは、国際送金サービスの近代化を目指し、ステーブルコインを自社サービスに統合する方法を模索している。

同社のデビン・マクグラナハンCEOは、21日にブルームバーグのインタビューで、ステーブルコインを脅威ではなく「機会」として捉えていると述べた。また、ステーブルコインのオンランプ/オフランプ機能やデジタルウォレットの提供に向けて、主要な仮想通貨業界プレイヤーとの提携を検討していることも明かした。

「私たちはステーブルコインを脅威ではなく、本当の意味での機会と見ています。ウエスタンユニオンは175年の歴史があり、その間ずっとイノベーションを続けてきました。ステーブルコインも、そうしたイノベーションの新たな一例に過ぎません」とマクグラナハンCEOは語った。

マクグラナハン氏は、ステーブルコインを活用できる3つの領域として、①より迅速な国際送金、②法定通貨とステーブルコイン間の交換、③経済不安定地域での価値保存手段、を挙げた。

Devin McGranahan talking to Bloomberg. Source: Bloomberg

ウエスタンユニオンにとって仮想通貨は未知の領域ではない

報道によれば、ウエスタンユニオンはすでにアフリカと南米で、ステーブルコインを用いた新たな決済プロセスのテストを行っているという。しかし、同社が仮想通貨分野に関わるのはこれが初めてではない。

2022年10月末には、仮想通貨関連製品に関する3件の商標を出願しており、2015年にはリップルと提携して送金決済の実証実験を行った実績もある。

とはいえ、リップルとの提携はいまだテスト段階にとどまっており、2018年には「仮想通貨による送金を当面サービスに追加しない」と発表していた。

米国でステーブルコイン導入を後押しする「GENIUS法」成立

ウエスタンユニオンの再関与の背景には、米国におけるステーブルコイン規制の明確化がある。米国で金曜日に成立した「新技術革新評価法(GENIUS法)」は、ステーブルコイン発行者向けの全国的なライセンス制度を創設するものだ。

この法律では、ステーブルコインの1対1の準備金保有が義務付けられ、担保のないアルゴリズム型ステーブルコインは禁止される。また、発行者にはマネーロンダリング防止規則の適用が義務付けられ、発行体が破綻した場合には、保有者は「優先債権者」として扱われる。

大手ステーブルコイン発行企業サークルのCSO(最高戦略責任者)であるダンテ・ディスパルテ氏は、このGENIUS法により、テック大手やウォール街の金融機関がステーブルコイン市場を独占するのを防ぐ効果があると述べている。

ディスパルテ氏は、ドル連動型トークンの発行を希望する非銀行系企業は「銀行ではなく、サークルのような独立組織」として事業を行う必要があると指摘している。これは、既存の金融機関がすでにステーブルコイン事業への参入準備を進めている状況を踏まえたものだ。

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