英国の金融行動監視機構(FCA)は、仮想通貨の知識がある専門家を募集している。2月6日にリンクトインに募集要項を公開した。

FCAは、1月10日に発効した欧州連合(EU)の第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)対応に向け、仮想通貨に詳しい専門家を募集している。同規制は、マネーロンダリグとテロ資金供与を阻止するため、金融取引の透明性を高めることを目的として設定された。

英国はEUを離脱(ブレグジット)したものの、EUの同規制には注視する必要がある。FCAは軸となる情報活動チームにおいて専門家を探しているようだ。

募集内容によると、英国の金融サービス業界の企業に向けた規制適用の取り組みなど、監視および執行の情報サポートを含む重要な責任を負う。


独自でも規制進めるFCA

FCAは今年1月、仮想通貨関連のビジネスを行う企業に対して、マネーロンダリング防止(AML)/テロ資金供与対策(CTF)の規制に基づいて監督を行うことを発表。英国の企業はFCAへの登録が必要になった。

すでにこの発表では、AML/CFTに関するリスクの特定と評価、AML/CFTに関連するリスクを排除するためのポリシーやシステムの構築、顧客のデューデリジェンスの実施などを求めているが、欧州で適用されている5AMLDへの対策に向けて、対応を進める方針だ。

5AMLDは欧州の仮想通貨企業が影響を受けている。仮想通貨アドレスと所有者本人の情報を紐づける必要があり、情報を必要に応じて金融当局に提供しなければいけない。

最大で100倍レバレッジができる仮想通貨取引所デリビット(Deribit)はEUの第5次マネーロンダリング対策司令(5AMLD)の施行を受け、コスト高などを理由に1月に本拠地をオランダから南米のパナマに移転することを発表。また、5AMLDを理由に事業を停止する企業も出ている。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン