米シンクタンクのアトランティック・カウンシル(大西洋評議会)のデジタル・フォレンシック研究所(DFRLab)は、出資金詐欺として悪名高いワンコインが投資家らを魅了するために、トラストパイロットとクオーラで嘘のレビューを使用していたとの報告書を1月29日に公開した。
ワンコインについての否定的なニュースが報道され始めた2019年10月のあと、トラストパイロット上に5つ星のレビューが急激に増加した。
出典: DFRLab ワンコインのトラストパイロットのレビュー数
トラストパイロットでは、1カ月間でワンコインに関するレビューが579件あり、うち90%が肯定的で400件が星5つの評価だった。DFRLabは、星1つの評価もあったが、肯定的な評価の方がはるかに多かったとしている。
また、Q&Aプラットフォームのクオーラでは、プロフィール写真や経歴情報などがなく、不定期な投稿時間、ワンコイン関連の質問にのみ関心を示すなど、実際ではないと思われるが傾向がみられた。
例えば、「仮想通貨エキスパートで投資家」と自称する女性は、アカウントは2018年1月から3月まで稼働していたが、ワンコイン関連の質問にのみ回答していたという。
ワンコインは2014年に創設。世界中の投資家に対して高配当を約束し誘致する詐欺で44億ドルをあげていたとされる。
昨年12月、ニューヨーク州の連邦裁判所は、ワンコインに関わったとして訴追されたデービッド・パイク被告に対する裁判を継続するとしていた。
首謀者の1人であるコンスタンティン・イグナトフ被告は、同詐欺に関与した罪状を認めたと報じられている。
ワンコイン事件とは
2014年にブルガリアで設立されたワンコインは、仮想通貨を使った出資金詐欺(ポンジ・スキーム)を行っていた。
このワンコインは「ねずみ講」のようなシステムで、高配当をうたい投資する人間を集めていた。ワンコインは世界中から投資を集めており、2014年から16年にかけて、33億5300万ユーロ(約3960億円)を集めたとされる。
ワンコインに対する捜査は、米国、欧州、中国、豪州、シンガポールなど世界各国で進められていた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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