ドイツ銀行の最新レポートによれば、世界の中央銀行がここ数年、金(ゴールド)の保有量を急速に増やしており、この動きがビットコイン(BTC)にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
中央銀行の金保有比率、30年ぶりの高水準
ドイツ銀行のストラテジストによると、中央銀行の外貨準備に占める金の割合は第2四半期に24%へ上昇し、1990年代以来の高水準となった。
レポートでは、公的セクターによる金の需要は2011〜2021年の平均ペースの2倍に達しているとし、2025年に史上最高のパフォーマンスを見せているビットコインとの間に「明確な共通点が浮かび上がっている」と分析している。
ドイツ銀行のストラテジストは、金の再蓄積はグローバルな金融構造の大きな転換点を示しており、ビットコインの上昇モメンタムも同様の力学を共有していると指摘した。
金、インフレ調整後で45年ぶりの最高値更新
名目ベースで金価格はすでにパラボリック(放物線的)な上昇を見せているが、インフレ調整後で史上最高値を超えたのはごく最近のことだ。
ドイツ銀行のストラテジストは、「金が実質ベースで45年前の史上最高値をようやく上回ったのは、ここ数週間のことだ」と述べた。
この「実質ベースでの高値更新」が長期にわたり遅れた主因として、ドイツ銀行は数十年にわたる中央銀行による金売却、機関投資家の強制的な手放し、そして不換紙幣体制の到来を挙げている。
また、「金の準備資産としての正式な役割は1979年に終わった」とし、国際通貨基金(IMF)が加盟国に金への為替レート固定を禁止したことをその転機として示した。
BTCが準備資産候補となる理由
インフレ調整後の金価格が史上最高値を更新するなかで、ドイツ銀行のマクロストラテジスト、マリオン・ラブール氏は金とビットコインの間にいくつもの共通点があるとし、ビットコインが「価値の保存手段」として注目される可能性を指摘した。
「ゴールドの支配、ビットコインの台頭」と題したレポートでラブール氏は、両資産のパフォーマンス軌跡が初期段階から顕著に類似していると述べた。
さらに、金とビットコインはいずれも高いボラティリティと一時的な低迷期を経験してきた点でも共通しており、従来型資産との相関が低いことから分散投資の効果が高いと指摘した。
2030年までに「中央銀行の準備資産」に加わる可能性
ビットコインを中央銀行の準備資産としてみなす上での主な懸念点として、ラブール氏は「高ボラティリティ」と「裏付け資産の欠如」を挙げた。
ただし同氏は、「ビットコインのボラティリティは現在、過去最低水準まで低下している」としつつ、依然として「利用範囲の限定性、投機性、サイバー脆弱性、流動性リスク」などの課題が残っていると指摘している。
それでもラブール氏は、「ビットコインと金は2030年までに中央銀行のバランスシート上に並ぶ可能性がある」と述べ、両者が共有する「安全資産」としての性質を強調した。
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