米連邦準備制度理事会(FRB)が水曜に行った利下げを受け、仮想通貨市場は小幅な反発を見せた。アナリストらは、今後さらに大きな反発が訪れる可能性を指摘している。

FRBは9月から12月までの3カ月間で、合計0.75%の利下げを3回連続で実施した。

オンチェーン分析企業サンティメントは木曜、長期的には仮想通貨にとって強気材料であるものの、各利下げの直後には短期的な売りが発生しており、「噂で買い、事実で売る」という典型的なパターンが続いたと指摘した。

ただし同社は、「落ち着きが戻った後には反発が起こるのが一般的」であり、予測可能なトレーディング機会を提供するとしている。

「今回の利下げも例外ではない。小規模なFUD(恐怖・不確実性・疑念)や個人投資家の売りが一巡した時点が、利下げ後の軽い下落局面の終わりを示すサインとなる」。

通常、利下げはリスク選好を高め、仮想通貨など投機性資産への資金流入を促すと考えられている。

歴史的なセンチメントとFRBの利下げ局面 Source: Santiment

FRBの利下げは「市場織り込み済み」

CoinExのチーフアナリスト、ジェフ・コー氏はコインテレグラフに対し、今回の利下げは「広く予想されており、ほぼ織り込み済み」だったと述べた。

ただし、FRB当局者の金利見通しを示すドットチャートが「ややタカ派寄り」であった点を指摘した。

より重要なのは、FRBの400億ドル規模の短期国債購入が「短期金利を下げるための金融システム向け技術的オペレーションであり、大規模な景気刺激策ではない」と説明したことだという。

「しかし市場はこれをやや強気材料として解釈し、米国株が上昇、ビットコインも広範なリスク資産とともに反発した」と、コー氏は述べる。

ビットコイン市場は成熟段階に

フィデリティ・インベストメンツのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティンマー氏は木曜、より長期的な視点から分析し、ビットコイン(BTC)は今年、株式市場に比べてパフォーマンスが劣後していると述べた。

しかし同氏は、ビットコインの市場サイクルが成熟してきていると指摘する。

「リアルタイムで見ていると、新たな仮想通貨の冬が来ているかどうか判断しづらい。しかしビットコインのネットワーク曲線の波動構造を見ると、直近の強気市場はかなり成熟しているように見える」。

金曜の取引では仮想通貨市場に小幅な反発が見られ、ビットコインは利下げ後に一時9万ドルを割り込んだ後、コインベース上で9万3500ドルまで急伸した。

しかしこの水準の抵抗は依然として強く、その後ビットコインは9万2300ドル付近まで押し戻され、記事執筆時点でも同水準で取引されている。

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