英国の中央銀行であるイングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁は、エルサルバドルがビットコイン(BTC)を法定通貨化したことについて懸念を表明をした。

ベイリー氏は、消費者が極端なボラティリティに苦しむ恐れがあり、通貨としてビットコインを採用したエルサルバドルの決定に憂慮していると語った。

エルサルバドルがビットコインを法定通貨とした最初の日(9月7日)には、BTCは約4万3000ドルで取引されていたが、11月9日には6万8000ドルの最高値にまで上昇した。その後、BTC価格は大幅に下落し、記事執筆時点では5万4626ドルで取引されている。

Bitcoin 90-day price chart. Source: CoinGecko

ブルームバーグの26日の報道によれば、ベイリー総裁はケンブリッジ大学でのスピーチで、国がBTCを自国通貨とする動きを懸念していると語った。

同氏はまた、エルサルバドルの人々がビットコインの性質やそのボラティリティの大きさを本当に理解しているかどうかを「何よりも心配している」と語った。

ベイリー氏はまた、国際通貨基金(IMF)のエルサルバドルに対する声明についても触れた。22日に発表されたこの声明では、エルサルバドルによるビットコインの法定通貨化について「重大なリスク」があると指摘している。IMFは以前にもエルサルバドルのビットコイン法に警告を出している。

ベイリー総裁は、イングランド銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)について検討していると述べ、次のように付け加えた。

「デジタル通貨には強いユースケースがあるが、私たちの見解では、特に決済で使用される場合には、それが安定している必要がある。これは暗号資産には当てはまらないものだ」