9月7日、エルサルバドルのビットコイン法が、正式に発効した。中米のエルサルバドルは、ビットコイン(BTC)を法定通貨として認めた世界で初めての国となった。
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、日本時間7日の午後2時57分、「3分で歴史を作った」 とツイートした。
しかし、エルサルバドルのビットコイン法が施行された初日は、国が発行したChivoウォレットがサーバーの容量エラーに見舞われた。この状況を受けて、ブケレ大統領は次のように述べた。
「しばらくの間、Chivoウォレットが動作しなかったが、イメージキャプチャサーバーの容量を増やすために接続を切ったためだ。一部の人に発生したインストールの問題はそのためだ」
エルサルバドル議会はこのほど、BTCから米ドルへの換金を促進するための1億5000万ドルのビットコイン基金を可決した。この基金を受けて、7日には法案施行に先立ち400BTCを購入したことを明らかにした。
今後も、同国によるビットコインの大量購入がさらに進むことが予想され、大統領も国のBTC取得を強化する意向を示している。
6月にエルサルバドルがビットコインを法定通貨とする決定を受けて以来、同国はビットコイン・コミュニティから大きな支持を得ている。Chivoウォレットをダウンロードすると30ドル相当のビットコインが付与されることになっていることにあやかり、ラテンアメリカや世界中の複数のビットコイン推進派が協力して、7日に30ドルのBTCを購入することを呼びかけている。
On September 7, El Salvador will officially begin using #Bitcoin as its national currency alongside the U.S. dollar. Every cyber hornet 🐝 I know is planning to buy $30 in BTC tomorrow in solidarity with the people of #ElSalvador and their leader @nayibbukele. Will you join us?
— Michael Saylor⚡️ (@michael_saylor) September 6, 2021
この計画には、マイクロストラテジーCEOであるマイケル・セイラー氏やヒューマンライツ・ファウンデーションのチーフ・ストラテジー・オフィサーであるアレックス・グラドステイン氏など、ビットコイン業界の著名人が主導しているようだ。
仮想通貨取引所CEX.IOのエグゼクティブディレクターであるコンスタンチン・アニシモブ氏は、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化はBTCの通貨としての有効性を証明するものだとコインテレグラフに語った。同氏によると、ビットコインはエルサルバドルのような経済力の弱い国に大きな財政的支援をもたらすという。
「ビットコインが経済にもたらす大きな利点は、誰かに支払うべき負債がなくなることだ。また、ビットコインを採用した国では、仮想通貨の導入や仮想通貨スタートアップに優れた機会を提供することになる。これは最終的に課税を後押しすることになり、国の成長ポイントになり得る」
一方で、ビットコインの法定通貨化については、国民の7割が反対しているとも言われている。国際通貨基金などの世界的な金融機関も、エルサルバドルに対してBTCを法定通貨として使用しないよう警告した。