オンチェーン分析企業グラスノードは最新レポートにおいて、ビットコインが4年周期(半減期サイクル)に今もなお沿っている可能性が高いとの見解を示した。市場の一部で浮上している「機関投資家の影響で周期が崩れつつある」とする見方に異を唱えている。

長期保有者の利益確定が示す“サイクル後期”の兆候

グラスノードによれば、ビットコイン(BTC)の現在の価格行動は、過去のサイクル終盤の特徴と一致しているという。特に、155日以上保有している長期保有者による利益確定の動きが「過去の熱狂期と同程度」まで進んでおり、これは市場がサイクル後期に差し掛かっている証拠とされている。

また、ビットコインへの資本流入の鈍化も確認されているとし、需要の減速を指摘した。実際、ファーサイドのデータによれば、現物ビットコイン上場投資信託(ETF)は過去4営業日で約9億7500万ドルの資金流出があった。

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ビットコイン価格の推移 Source: CoinMarketCap

需要の鈍化と同時に、投機的な資金がボラティリティの高いアルトコイン市場へと流れている傾向も見られる。グラスノードによれば、主要アルトコインの未決済建玉は一時600億ドルという過去最高水準に達したが、その後25億ドル下落した。

これらの動きから、現在のビットコイン市場は典型的なサイクル終盤の特徴を示しているとの見方を強めている。

ピーク到達は早ければ10月か

グラスノードは、2018年および2022年の過去サイクルを参考にすると、今回のサイクルのピークは早ければ10月に到来する可能性があると述べている。これは「サイクル安値からの時間経過」で見ると、過去のピーク時期と2〜3か月の差でしかないという。

仮想通貨アナリストのレクト・キャピタル氏も7月上旬、「2024年4月の半減期から550日後、すなわち10月がピークになる可能性がある」と言及している

「4年周期は終わった」とする声も

一方で、ビットコインがもはや4年周期に従っていないという見方も業界内で根強い。

投資家のジェイソン・ウィリアムズ氏は、「上位100社の企業が合計で約100万BTCを保有しており、今回のサイクルは過去と異なる」と主張。実際、BitcoinTreasuries.NETのデータによれば、上場企業が保有するビットコインの総額は1121億7000万ドルに達している。

ビットワイズの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏も7月下旬、「4年サイクルはすでに終わった」と明言し、「2026年は仮想通貨にとって上昇の年になる」との見通しを示している

ホーガン氏は、半減期の影響力が徐々に低下していること、また金利サイクルが仮想通貨市場にとって有利に働いていることを理由に、今回のサイクルが異なる展開になると予測している。

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