アリババ傘下のフィンテック大手アント・グループが、香港で「Antcoin(アントコイン)」の商標を登録したことが分かった。中国当局が仮想通貨への取り締まりを強化する中、同社がブロックチェーンを基盤とした金融事業への再進出を図っていることを示す動きとみられる。
「Antcoin」商標を6月に登録
香港経済日報によると、アント・グループは「フィンテック分野への拡大」を進めており、同紙が入手した資料には、同社が仮想資産、ステーブルコイン、ブロックチェーン関連の商標登録を香港で申請したことが記載されている。
商標登録の記録によれば、「Antcoin」は6月18日付で登録されており、事業区分にはデジタル通貨およびブロックチェーン関連サービスが含まれている。申請者はアドバンスト・ニュー・テクノロジーズとなっている。ドメイン紛争関連の文書によれば、この申請者はアント・グループ傘下の子会社であることが確認されている。
中国政府、仮想通貨事業から撤退するよう圧力
アント・グループは6月初旬、香港およびシンガポールでステーブルコイン発行ライセンスを申請する計画を立てていたと報じられている。当時、同社はルクセンブルクなど他国でも類似のライセンス取得を検討していたという。
香港が8月にステーブルコイン発行体のライセンス申請を受け付け開始した後、アント・グループは香港市場への参入意欲を示した企業の1つだった。
しかし9月初旬、地元報道機関が後に削除した記事によると、香港で活動する中国本土企業が仮想通貨関連事業から撤退を余儀なくされる可能性があると伝えられた。
8月初旬には、中国当局がステーブルコインに関する調査やセミナーの開催を中止するよう企業に指示したとの報道もあり、詐欺的行為への悪用リスクを理由に規制強化の動きが進んでいた。
今月に入り、アント・グループとJDドットコム(京東)はともに、香港拠点でのステーブルコイン発行計画を一時停止したと報じられた。背景には、「民間が支配するデジタル資産」への北京当局の懸念があるとされている。
地元メディアの新浪財経によると、中国人民銀行の潘功勝総裁は10月27日、今後も法執行機関と協力して仮想通貨の取り締まりを継続する方針を示した。特に仮想通貨の発行や投機的取引に対して厳格な措置を取るつもりだという。
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