米国と中国による90日間の関税合意が、株式市場と仮想通貨市場全体の回復局面を後押しする可能性が出てきた。投資家の間では、さらなる税制優遇策への期待も高まりつつある。

ホワイトハウスは5月12日、両国が相互の関税率を現行水準から24%引き下げ、5月14日から90日間にわたり10%に設定すると発表した

ジュネーブで記者会見を開いた米国のスコット・ベッセント財務長官は、米中両国の政府が経済的なデカップリングの回避で一致していると述べた。

「両国代表団の共通認識として、どちらもデカップリングを望んでいない」とベッセント氏は語った。「非常に高い関税率によって、事実上の禁輸措置が発生していたが、これを両国とも望んでいない。私たちは貿易を求めており、よりバランスの取れた貿易を目指している」。

この建設的な協議の流れと追加関税の90日間停止は突然の再エスカレーションのリスクを排除するものであり、これによりアルトコインや株式市場がビットコイン(BTC)の価格回復に追随する可能性が高まると、仮想通貨インテリジェンス企業ナンセンの主席リサーチアナリストであるオレリー・バルテール氏は述べた。

「ビットコインはすでに過去最高値に近い水準で取引されているが、今回の貿易摩擦緩和によって、アルトコインや米国株、そして米ドル指数(DXY)も追随的な上昇に向けた好位置にある」とバルテール氏はコインテレグラフに語った。

同氏は、関税に関連するリスクから隔絶されている点で、ビットコインがリスク資産をアウトパフォームしてきたと指摘する。

「加えて、米ドルはユーロやスイスフラン、円といった従来の安全通貨に対しても強さを見せると考えている。これは、グローバルなリスク許容度の改善を反映している」とも述べた。

ナンセンは以前、仮想通貨および株式市場が6月までに底打ちする確率は70%に達すると予測しており、価格回復は今回の通商交渉の結果に大きく左右されるとしていた。

税制優遇がさらなる上昇の起爆剤に

ビットコインは現在、2025年1月に記録した過去最高値10万9800ドルから4.8%下の水準にある。

BTC/USDの過去1年のチャート Source: Cointelegraph

「もし十分な規模の減税パッケージが実現すれば、リスク資産は1月のピークを突破してさらに上昇する可能性がある」とバルテール氏は語る。

「この場合、単に期限切れとなる減税措置の延長にとどまらず、所得税の追加減税や法人税の引き下げも含まれる必要がある」

また、ベッセント氏がこのような減税パッケージを7月中旬に発表する可能性を示唆しており、これは「市場にとって非常に大きな追加的材料になる」としている。

このような建設的な通商交渉と、チャート上に出現しつつある強気パターンが相まって、一部アナリストの間では、週足チャートに現れた強気フラッグ形成の進展次第でビットコインが15万ドルに達するとの見方も出ている

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