仮想通貨取引所バイナンスの調査によると、9月にはトルコリラ(TRY)が最も主要な法定通貨取引ペアとなった。

トルコリラは9月初旬の全法定通貨取引量の75%を占めた。トルコは、米国、インド、英国に次ぐ世界第4位の仮想通貨市場であるにもかかわらずだ。

TRY取引ペアの急増は、トルコ市場への仮想通貨投資家の最近の流入に関連している。バイナンスの調査参加者の27%が過去1年以内に仮想通貨投資家としてスタートし、そのうち8%が過去6ヶ月間に参加した。

バイナンスのトルコユーザーの市場滞在時間 Source: Binance

調査によれば、ほとんどの回答者は仮想通貨に最大で約5000トルコリラ(約2万6500円)を保有し、不動産への投資を好む。下図に示すように、利益性の要素がトルコの仮想通貨への関心の最大の理由の1つだ。最低限度額のなさ、取引コストの低さは新規投資家にとって注目すべき要因となっている。

トルコユーザーが仮想通貨に投資する動機. Source: Binance

過去3年間でトルコの仮想通貨の採用率は16%から40%に増加し、チェイナリシスの「グローバル仮想通貨採用指数2023」で12位にランクインしている。また、トルコは2023年の地震時に仮想通貨による人道支援を受け取った。

一方、トルコの仮想通貨採用は減速の兆しを見せず、同国政府は金融行動作業部会(FATF)から「グレーリスト」から除外するための新たな仮想通貨規制を策定していると報じられている

FATFが2021年にトルコをグレーリストに載せた際、トルコ財務相のメフメト・シムシェキ氏は、トルコが監督機関が設定した40の基準のうち1つを除いてすべてを順守していると主張した。その1つは仮想通貨の取り扱いに関する規制だった。

シムシェキ氏は、グレーリストから脱却するために議会に仮想通貨資産法を提案する計画を示したが、具体的な法改正内容についてはまだ明らかになっていない。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン