トルコは、金融犯罪対策を担当する国際機関である金融行動作業部会(FATF)によって、マネーロンダリングやテロ資金供給の対策が不十分とされる「グレーリスト」に含まれている。トルコ政府は、グレーリストから削除されるため、仮想通貨の新たな規制を策定中だという。

ロイターの報道によれば、10月31日の議会委員会での討議の中で、トルコのメフメト・シムシェキ財務相は、トルコがFATFの設定した40の基準のうち1つを除いてすべてに適合していると語った。シムシェキ財務相は、技術的な適合性に関する唯一の未解決の問題は仮想通貨に関連していると述べた。

シムシェキ財務相は、グレーリストから脱却することを目指して、議会に仮想通貨法案を提出する計画だと語った。法改正の具体的な内容については明らかになっていない。

FATFは、国際金融システムを保護するための組織で、2019年にトルコに対して重大な欠陥について警告していた。この警告には、テロと大量破壊兵器の拡散に関連する資産の凍結手続きを強化する必要性が含まれていた。

10月25日にトルコ共和国公報で公開された「2024年度大統領年次計画」では、2024年末までに国内の仮想通貨規制を完成させることを目指している。500ページに及ぶ詳細な文書内にある第400.5条では、仮想通貨に対する明確な定義を設け、将来的に適切な課税を行う方針を示している。また、仮想通貨取引所のような仮想通貨プロバイダーを法的に定義することも目指すという。

またトルコではデジタルリラというデジタル通貨プロジェクトをも進められている。トルコの中央銀行は2022年12月にデジタル通貨の初期試験を成功裏に実施した。そして、2024年までにさらなるテストを行う意向を示している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン