米国のスティーブン・ムニューシン財務長官は、12日に米議会上院の金融委員会で、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)がまもなく仮想通貨に関する新たな規制を発表することを明かした。
ムニューシン氏は、詳細に関する発言は控えたが仮想通貨に関しては「我々はこれに多くの時間を割いている」と発言。「FinCENでまもなく新たにいくつかの重要な要求を発表する」と述べた。
「技術発展が進むことを保証したいが、一方でビットコインや仮想通貨が昔のようなスイスの銀行のシークレット番号のように使われることがないようにしたい」
その後ムニューシン氏は、規制当局がマネーの流れを追跡できてマネーロンダリング(資金洗浄)に使われないように確かめられる仕組みを作っているとも話した。
一方、同氏政府発行の通貨やデジタル資産に連動するステーブルコインに期待を示した。「支払いプロセスに使う時間をかなり削減できる」と評価し「とりわけ、クロスボーダー(国をまたいだ)少額決済で有用」との見方を示した。
昨日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がデジタルドルの研究を精力的に進めていると話していた。
過去のムニューシン発言
昨年12月時点でムニューシン氏は、「次の5年間は、FRBがデジタル通貨を発行する必要性を見い出さない」と発言。フェイスブックがデジタル決済の領域に参入すること自体に問題はないとの見方を示しつつも、「彼らが銀行秘密法やアンチマネーロンダリングを遵守し、テロリストの資金源にならないように保障したい」と述べていた。
また昨年7月には、ビットコインなど仮想通貨による不法活動は「国家安全保障の問題」と危機感をあらわにしていた。
「ビットコインなどの仮想通貨は、サイバー犯罪、脱税、ゆすり、ランサムウェア、違法薬物、人身売買など数十億ドル分の不法活動を支えるために悪用されてきた(中略)これは、まさに国家安全保障の問題だ」
【関連記事:中国人民銀行、デジタル通貨で80以上の特許申請=FT】
【関連記事:米マネロン対策機関FinCEN幹部、仮想通貨発行目指すソーシャルメディアに規制順守求める】
【関連記事:「仮想通貨法案2020」米議員が提出、コモディティ、通貨、証券で規制目指す】
【関連記事:仮想通貨を使った「疑わしい取引」、今年5月以降で急増=米マネロン対策機関FinCENトップ】