米規制当局の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)のケネス・ブランコ局長は、仮想通貨の世界に対してもアンチマネーロンダリング(AML)の規制を厳格に適用していくと発言した。ロイターが15日に報じた。ブランコ氏は、仮想通貨企業に対してもAML規則を順守させ、顧客情報を共有しなければならないとの考えを示した。

「トラベルルールの順守を」

FinCENのブランコ局長は、ニューヨークに拠点を置くブロックチェーン分析企業チェイナリシスすが主催する会議に出席。FATFの「トラベルルール」は、デジタル通貨にも適用され、政府は仮想通貨企業がこれを順守することを期待していると述べた。

トラベルルールとは、仮想通貨取引所など仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に送金に関する顧客情報の収集と共有を求めるものだ。今年6月にマネロン対策機関FATFが仮想通貨業界にも適用するガイドラインを発表している

ブランコ局長は、政府の方針としてトラベルルールの順守を求めると強調した。

「トラベルルールはCVC(交換可能な仮想通貨)に適用される。(仮想通貨企業は)これを順守することを期待している。…これが我々の考えだ。あなた方は従わなくてはならない。ショックがあるというのは関係ない。これは何も新しいことではない」

ブランコ局長は今年10月、ジョージタウン大学での講演でも、アンチマネーロンダリング(AML)の規制がすべての人に適用されると発言している

「送金先が何らかの違法行為に関わっている可能性がある。(違法薬物の)オピオイドか、もしかしたら人身売買かもしれない。相手方が何者であるのか知る必要がある」

その上で、ブランコ氏は、その情報自体を入手するのは難しいことではないと強調した。

「我々が求めているのは、名前、住所、口座番号、取引、受取人、および金額だけだ」

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン