シンガポールの中央銀行である、シンガポール金融管理局(MAS)が、フェイスブックと仮想通貨リブラについて協議していたことがわかった。ブルームバーグが27日に報じた。
MASのラヴィ・メノン長官は、メディアに対して、フェイスブックのリブラが安価な決済システムを提供し、金融システムにアクセスできない人々(アンバンク層)をサポートするなど、潜在的な利益があると述べた。
だが一方で、規制当局側は、巨大テクノロジー企業であるフェイスブックが、どのようにシステムを運用するのかを注視する必要があるとも語った。
メノン長官は、リブラが他の決済手段に替わる優れた決済手段になるかどうかは不透明であるとも述べ、クロスボーダー決済の効率化のために他にも多くの実験があるとも指摘。シンガポール当局が規制上の決定を下す前に、セキュリティとプライバシーの問題に関してフェイスブック側に確認を求める考えを示した。
「重要なことは基本的な性質を理解することだ。それがどんなもので、どのような箱に入るのか。現時点ではこういったことはまだわかっていない」
「プロジェクトの経済性やセキュリティ、プライバシーの問題を含め、どの程度正確に機能するかを理解する必要がある」
フェイスブックがリブラのホワイトペーパーを発表して以来、各国の中央銀行や金融規制当局からの発言が相次いでいる。
ドイツ連邦金融監督庁のフーフェルト長官は、リブラについて「世界規模での対応が必要だ」とし、国際的なフレームワークを整えるべきだと語った。
イングランド銀行のカーニー総裁は、リブラが価値あるユースケースを生む可能性があると述べている。