米国のトランプ大統領は、商品先物取引委員会(CFTC)の次期委員長として、マイケル・セリグ氏を指名する方針を固めた。元々の候補だったブライアン・クインテンツ氏の指名を撤回した後の新たな動きとなる。

ブルームバーグの報道によると、匿名のトランプ政権関係者がこの人事計画を明らかにしたが、現時点では正式発表は行われていない。

セリグ氏は現在、米証券取引委員会(SEC)の暗号資産タスクフォースにおいて主席法律顧問兼ポール・アトキンス委員長の上級顧問を務めている。

仮想通貨業界ではセリグ氏を「親クリプト派」とみなす声が多く、指名の可能性が報じられると、SNS上では支持や歓迎の声が上がっている。

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マイケル・セリグ氏 Source: PLI

CFTC人事は調整が難航

CFTC委員長人事は、2025年9月以降停滞していた。 もともとの候補だったクインテンツ氏が、仮想通貨取引所ジェミナイの共同創業者であるタイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏らからの反対を受けたと報じられている

その後、トランプ大統領はクインテンツ氏の指名を正式に撤回。同氏はコインテレグラフの取材に対し、「民間セクターに戻る」と述べていた

暗号資産規制で「協調強化」へ

トランプ政権は、デジタル資産に関する作業部会の勧告に基づき、暗号資産の監督権限をCFTCへ付与する構想を検討している。

作業部会の報告書は今年7月に発表され、CFTCとSECが共同で規制監督を担う体制を提案していた。

報告書では、CFTCがスポット市場(現物市場)の監督を担うこと、暗号資産の大部分を「商品」と分類することが明記されている

一方で、トークン化された債券や株式など「証券」に分類される資産は引き続きSECの監督下に置かれる。

2025年9月には、CFTCとSECが共同声明を発表し、「両機関の規制調和を進める」方針を示した。これにより、米国内の仮想通貨産業に待望の法的明確性がもたらされたと専門弁護士らは評価している

またCFTCは8月、作業部会の勧告を政策化するための「クリプト・スプリント」を開始したと発表した。

この両機関の連携強化を受け、「SECとCFTCが将来的に統合されるのではないか」という憶測も浮上しているが、SECのアトキンス委員長はこれを明確に否定している。「SECとCFTCを統合する権限を持つのは、大統領または議会だけだ」とアトキンス氏は述べた。

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