英中央銀行、イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は、フェイスブックの独自仮想通貨「リブラ」は、規制当局の要求に沿うことができれば、価値のあるユースケースを生む可能性があるだろうとの見解を示した。経済紙フィナンシャルタイムズが6月18日に報じた。

今週、フェイスブックが2020年の公開に向け準備中だとする独自仮想通貨「リブラ」の詳細を発表して以来、一部の政府関係者からは「全面禁止」などといった意見も飛び交っている。

カーニー総裁は、ポルトガルで開催された中央銀行のカンファレンスで、「イングランド銀行は金融安定を保証する立場で、フェイスブックの提案を、G7や国際決済銀行、金融安定理事会、国際通貨基金(IMF)といったレベルで注意深く見守る」と述べ、さらに、フェイスブックが規制当局の不安を緩和させることよりも、リブラの門戸開放的な観点が優先されるべきだと述べた。

米国においては、米下院金融サービス委員会の委員長、民主党のマキシン・ウォーターズ議員がフェイスブックに仮想通貨開発の中断を要求している。同氏は、「フェイスブックは数十億人分のデータを持っており、これらのデータ保護を繰り返し軽視してきた」と批判し、フェイスブックは「チェックのない拡大」を続け、人々の生活に入り続けようとしているとの懸念を示している。

またロシアでは、議会下院(国家院)金融市場委員会のアナトリー・アクサコブ委員長が「リブラ」は金融システムの脅威となりうるため、同国では禁止するべきだとの見解を示している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版