「クリプト・ママ」こと、米SECヘスター・ピアース委員は仮想通貨やトークンの開発に3年の規制猶予期間を求める「セーフハーバー」を提案した。

セーフハーバーとは、あらかじめ決められたルールや基準を満たしている限り、法令違反とはならない措置のことだ。

2月6日にシカゴで開かれた国際ブロックチェーン会議で講演したピアース委員はセーフハーバーの概要を説明。コインテレグラフに共有された提案草案によると、「条件が満たされている限り、連邦証券法の規制に拘束されない」ことを示しており、企業はICOなどでのトークンの販売を開始してから、証券法適用までに3年間の猶予期間が必要だとした。

開発当初に有価証券とみなされるような性質でも、3年後には非中央集権型になる可能性があれば、有価証券とみなされなくなるという。

仮想通貨やトークンの開発者はセーフハーバーの対象になるためには、オープンソースネットワークの構築を進めていることを証明し、関連情報を開示する必要がある。今回の提案については7日にもSECのウェブサイトで公表される予定。

米国では証券法は仮想通貨企業にとって大きな課題だ。これまでにもテレグラムやKikが証券法違反で訴訟を起こしている。仮想通貨の普及のために尽力している人物として知られるピアース委員の提案は今後仮想通貨やトークンを開発する企業の後押しになる。

仮想通貨コミュニティから歓迎の声

今回の提案に対しては仮想通貨コミュニティからは歓迎の声が上がっている。猶予期間が設けられることでイノベーションのための健全な開発エコシステムが形成されやすくなるからだ。

バイナンスUSのキャサリン・コリーCEOは提案が米国における「画期的な開発」になると指摘した。

「提案されたセーフハーバーは、これまで米国の暗号通貨市場にとって最も画期的な開発になる可能性がある。長期的に、多くのアメリカ人がデジタル資産の取引関わることになり、ネットワークへの参加を促進するのに役立つ。」

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