仮想通貨XRPの発行元であり、主要ブロックチェーン企業であるリップル(Ripple)は、現地のフィンテック推進機関との提携を通じてバーレーン王国での事業拡大を進めている。

リップルは木曜日、政府系パートナーを含む複数の機関と連携するバーレーンの主要フィンテック・インキュベーター「バーレーン・フィンテック・ベイ(Bahrain Fintech Bay、BFB)」との戦略的提携を発表した。この協力には、バーレーン中央銀行(CBB)との連携も含まれている。

今回の提携を通じて、リップルとBFBはバーレーンのデジタル資産エコシステム発展に貢献することを目的に、フィンテック分野の実証実験や、国際送金、ステーブルコイン、トークン化などの分野におけるソリューションの検証を共同で進める。

リップル中東地域マネージングディレクターのリース・メリック氏によると、最終的には同社のデジタル資産カストディソリューションおよびリップルUSD(RLUSD)ステーブルコインをバーレーンの金融機関に提供する計画だという。

BFBとバーレーン政府の取り組み

BFBは2018年に首都マナーマで設立されたフィンテック拠点であり、バーレーン経済開発委員会(EDB)およびフィンテック・コンソーシアムによる官民共同イニシアチブとして設立された。

同社はバーレーン中央銀行の主要フィンテックパートナーとしての地位を確立しており、2017年末の正式設立以前からCBBとの協力関係を発表していた。

中央銀行は2018年および2019年の公式声明の中で、BFBを主要パートナーとしてたびたび言及している。

BFBのビジネス開発ディレクターであるタリーク・マッター氏は、2025年6月にバーレーン商工会議所が主催したイベントに参加した  Source: BFB

6月、BFBは同商工会議所が主催する「バーレーン・エミラティ・ビジネスフォーラム」にも参加し、マッター氏が登壇してバーレーンのフィンテック開発について講演を行った。

バーレーン中央銀行、USD建てステーブルコインの発行を認可

「バーレーンは長年にわたり金融サービスの中心地として知られてきたが、現在ではデジタル資産とブロックチェーン分野においてもその地位を強化している」と、BFB最高執行責任者(COO)のスージー・アル・ジーラ氏は述べた。

同氏はさらに、「リップルとの今回の提携は、BFBがグローバルなイノベーターと地域エコシステムをつなぐという使命を反映している。この協力関係を通じて、実証実験、人材育成、そして金融の未来を形づくる最先端ソリューション創出の機会を生み出す」と付け加えた。

バーレーン中央銀行は、ディナール、米ドルなど各国通貨連動型ステーブルコインの発行を認可している Source: CBB

リップルとの提携は、CBBが2025年7月にステーブルコイン発行者のライセンスおよび規制枠組みを導入してから数カ月後のことだった。

CBBは7月4日の公式声明で、「新しいステーブルコイン規制の下では、認可を受けた発行者は、バーレーン・ディナール、米ドル、またはCBBが認めるその他の法定通貨に裏付けられた単一通貨ステーブルコインの発行を許可される」と説明している。

リップルによるバーレーンでの展開は、同社が世界各国で60を超える規制承認を取得している中で、グローバルな法域との関係をさらに深める動きとなる。

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