マイケル・セイラー氏が率いるデジタル資産企業ストラテジーは、3,459ビットコインを2億8,550万ドルで購入した。世界市場が貿易関連の逆風に直面する中でも、ビットコインへの継続的な信頼を示す形となった。

ストラテジーは、1BTCあたり平均82,618ドルで3,459BTC(計2億8,550万ドル相当)を取得。これにより、同社のビットコイン保有量は合計531,644BTCに達した。取得総額は359億2,000万ドル、平均取得単価は67,556ドルとなり、2025年初頭以降の利回りは11.4%超となったと、セイラー氏は4月14日にX(旧Twitter)で投稿している。

Source: Michael Saylor

この2億8,500万ドルの購入は、同社が3月31日に19億ドル相当のビットコインを取得して以来、初の投資となる。

Saylortrackerのデータによれば、同社は現在、評価益として91億ドル超を計上しており、全ポジションに対する含み益は25%に達している(協定世界時12時20分時点)。

Strategy total Bitcoin holdings. Source: Saylortracker 

市場が広範に調整局面を迎え、リスク資産に対する投資意欲が低下する中でも、ストラテジーはビットコインの継続的な買い増しを進めている。背景には、ドナルド・トランプ米大統領が新たな関税措置を発表し、世界の貿易政策に不透明感が広がったことがある。

トランプ氏は4月9日、相互関税の引き上げ措置について90日間の停止を発表。中国を除く大半の国に対しては関税率を10%の基本水準に戻したが、中国に対しては145%の輸入関税が維持されている。

主要経済指標を前に、暗号資産市場は「慎重ながら力強い」スタート

米中の貿易交渉の行方に不透明感が残る中、ビットコインは過去7日間で10%以上反発し、4月14日13時10分(UTC)時点で85,000ドルを超えた。Cointelegraph Markets Proのデータが示した。

BTC/USD, 1-year chart. Source: Cointelegraph

デジタル資産投資プラットフォームNexoのディスパッチ・エディター、ステラ・ズラタレバ氏は次のように述べた:

「今週の暗号資産市場は、先週月曜日の関税発表による急落からの回復を背景に、慎重ながらも力強い動きで始まりました。ビットコインは84,000ドルを上回る水準で取引されており、グローバルなマクロ経済環境にもかかわらず、堅調な反発を見せています」

「今週は中国の経済指標、FRB高官の発言、小売売上高の発表など、リスク資産の次の動きを左右する重要な材料が控えています」と同氏は付け加えた。

関税をめぐる不透明感にもかかわらず、アナリストの一部は、マネーサプライの拡大がビットコイン価格を2025年末までに13万2,000ドル超へと押し上げる可能性があると予測している。

さらに長期的には、ビットコインは2035年までに180万ドルを突破する可能性があり、貯蓄手段として金の21兆ドルの時価総額を超える可能性があると、Unchainedのマーケットリサーチ責任者ジョー・バーネット氏は語った。