仮想通貨市場調査会社10Xリサーチによれば、世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーが、株価下落やビットコイン購入の減速にもかかわらず、年内にS&P500指数へ採用される確率が70%あるという。
ストラテジーは10月30日に2025年第3四半期決算を発表する予定で、決算にはビットコインの公正価値会計による38億ドルの評価益が含まれる見込みだ。
10Xリサーチの29日のレポートによると、同社が黒字を維持した場合、12月19日付でS&P500に採用される確率は60〜70%に達するとしている。
レポートは、10月30日の決算発表が、12月5日のS&P500採用判断をめぐる思惑を再燃させる可能性があるとした。
投資家心理は依然として「冷え込んでいる」が、決算は株価回復の明確な引き金になる可能性があると同社は見ている。
デジタル資産企業に広がる「mNAV問題」
この予測は、デジタル資産トレジャリー企業(DAT)全体の持続性に対する懸念が広がる中で示されたものだ。
多くの企業が、今年に入り市場純資産価値比率(mNAV)を重要な閾値である「1」を下回っている。
mNAVとは、企業価値を保有する仮想通貨価値で割った指標で、1を超えていれば新株発行による資金調達と保有資産拡大が可能だが、1を下回ると資金調達が困難になる。
10Xリサーチによると、ストラテジーを含む複数の企業──ビットマイン、メタプラネット(MTPLF)、シャープリンク・ゲーミング(SBET)、ユペクシ(UPXI)、DeFiディベロップメント(DFDV)──がこの水準を割り込み、新規購入に必要な資金調達が難しい状態に陥っている。
ビットコイン購入ペースは鈍化
ストラテジーは10月にわずか778BTCを購入したにとどまり、これは9月の3526BTCから78%減少し、同社としては過去最小規模の月間購入となった。
それでも10Xリサーチは、現在が「仮想通貨市場サイクルの中で流動性が戻り、大きな値動きが生まれる局面」にある可能性を示唆する。
「時価総額プレミアムの巻き戻しにより180億ドルの損失が発生したが、ボラティリティが再び高まっている。今のリスク・リワードは下落への備えではなく、次に来る動きへの準備にある」
一方で、S&Pグローバル・レーティングはストラテジーに「B-」の格付けを付与し、投機的な「ジャンク債」に分類した。この評価は、ビットコイン保有を中核とする企業に対してS&Pが初めて付与した信用格付けであり、伝統金融による仮想通貨企業のリスク評価基準の新たな前例となる可能性がある。
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