米仮想通貨取引所クラーケンは、5日のツイッター投稿において、去年1年間における法的執行機関からの問い合わせ数が前年比の3倍近い475件たったことを明らかにした。とりわけ米国の法的執行機関からの問い合わせが多かったことについて、クラーケンは不満を口にしている。

ツイートで示されたチャートによると、2018年には世界中の法的執行機関からの問い合わせ数は475件だったのに対し、2017年は約3分の1の160件のみだった。2016年は71件だ。

Annual Law Enforcement Inquiries Received by Kraken

年間の法的執行機関からの問い合わせ数の推移〜出展:クラーケン社によるツイート

また、ツイートで表示されているチャートでは米国の執行機関からの問い合わせが突出していることも示した上で、「なぜ多くのビジネスが米国の利用者をブロックしているのかが分かる」と述べている。クラーケンによると、 2018年の475件の問い合わせのうち、315件が米国の政府機関からであるとされる。

Inquiries by Country of Inquiring Agency

国ごとの法的執行機関からの問い合わせ数〜出展:クラーケン社によるツイート

昨年9月、ニューヨーク州司法長官事務所(OAG)が、価格操作に関する仮想通貨取引所の取り組みに関する報告書を18日に公表し、仮想通貨取引所のバイナンス、Gate.io、クラーケンがニューヨーク州の規制に違反してる可能性があると警告した。

ただ最近では仮想通貨取引所が自主的に報告するケースも増えているようだ。昨年12月の日本の警察庁のまとめによると、マネーロンダリングなどの疑いがあるとして仮想通貨交換業者が届け出た取引はが2018年1~10月に計5,944件あったという。前年2017年の4月~12月にかけては669件であり、大幅な増加傾向がみられる。 大幅な増加は、交換業者の間で届け制度が定着してきたことと同時に、昨年1月に発生したコインチェックでの不正流出事件の後の金融庁から発行された業務改善命令の影響もあるとされる。交換業者は業務改善計画に基づき、本人確認・マネロン対策を強化しており、疑わしい取引の件数増加につながっていた。