マカフィー氏「当局は、仮想通貨関連企業や取引所に犯罪抑止を期待すべきではない」

ウィルス対策ソフト開発企業「マカフィー」の創業者ジョン・マカフィー氏は、仮想通貨が犯罪に使用されることを防ぐ責任は、仮想通貨関連企業や取引所にはないと主張した。米メディア「ザ・ヒル」が行った11月11日のインタビューで答えた

マカフィー氏によると、仮想通貨関連企業や取引所に対して、当局は違法行為における仮想通貨の使用を制御するよう要求するべきではないという。「この技術で犯罪者が演じる小さな部分」よりも、「過剰な負担と腐敗した政府からの自由を人々に与えることの社会的影響」が勝ることを望んでいると述べた。

「起業家としての私に、その責任(犯罪抑止の責任)を負わせることはできない。将来犯罪となる可能性のあるものを防止する支援を、私に要求することはできない」

同氏は、イーサリアム系分散型取引所(DEX)のベータ版「マカフィーDEX」をに立ち上げたことがこの10月に報じられた。マカフィーDEXはKYCを行わず、管轄権などでブロックしない。

仮想通貨業界と犯罪との戦い

2018年8月、米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、FinCENへ提出される仮想通貨関連の疑わしい取引の報告が急増していることが明らかにした。

マカフィー氏の主張とは相反し、仮想通貨業界の主要なプレーヤーは、犯罪と積極的に戦う姿勢を見せるようになっている。

仮想通貨の不正取引調査を手がけるチェイナリシス(Chainalysis)は2019年8月25日、疑わしい仮想通貨取引についてAML(マネーロンダリング防止)にからむ警告を発する「チェイナリシスKYT」の提供を開始した。対象は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主要15種類の仮想通貨やステーブルコイン、トークンとなっている。

チェイナリシスによると、ハッキングがらみの仮想通貨、ダークネット市場および違法活動への送金・取引などをリアルタイムで監視・警告するそうだ。その目的は、仮想通貨取引所や金融機関の規制対応や評価リスクの軽減を支援することだという。

またチェイナリシスは2019年6月、ランサムウェア攻撃に関連したアドレスからの資金を受け取った38の取引所を特定。ランサムウェア攻撃者の64%が仮想通貨でマネーロンダリングを行っていると明らかにした

仮想通貨のマネーロンダリングでは、12%が仮想通貨ミキサー(またはタンブラー)、6%がP2P(ピアツーピア)ネットワークで金銭の流れを隠蔽しようとしており、そのほかの多くはダークウェブなどを経由していた。

さらに2019年8月には、仮想通貨ミキサーが手がける仮想通貨の約40%は取引所からのもので、主に違法行為ではなくプライバシーの目的で利用されていると指摘。仮想通貨ミキサーは、不正に盗まれた仮想通貨の主な送付先となっているものの、仮想通貨ミキサーが扱う資金の約8.1%だという。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版