ロシア銀行のエルヴィラ・ナビウリナ総裁が、将来予定されているデジタルルーブルの流通について、匿名性とプライバシーを区別すべきだと主張している。

10月23日の記者会見において、ナビウリナ氏は、ロシアのデジタルルーブルには現金と同じような匿名性は付与されないと述べた。しかしながら、中央銀行はユーザーのプライバシーを強化すると約束し、以下のように述べた。

「それでも、私たちはデジタルルーブルによる取引の匿名性と秘密性とを混同すべきではない。事実、現金取引による裏付けと同じレベルの匿名性は得られないだろう。だが、秘密性の強化が期待される」

デジタルルーブルには独自のデジタルコードを付与し、中央銀行が透明性の向上を伴って金融取引を追跡することが可能になる、とナビウリナ氏は説明した。ロシア銀行以外にそのデータにアクセスできるようになるのかは、現段階では不明だが、次のように述べた。

「中央銀行は自身のデジタル通貨の情報を管理する。私たち以外も取引情報を確認できるかどうかは、デジタルルーブルの認可モデルによることになる」

ロシア中央銀行は10月13日に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の計画を正式発表した。デジタルルーブルは間もなく、現金との併用で新たな形態の通貨として利用される可能性がある。ロシアは21年にCBDCの試験運用を開始すると見られている。23日、政府高官はCBDCの競争で一番になることはロシアにとって特段重要ではないとほのめかした。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン