ビットワイズの最高投資責任者マット・ホーガン氏によると、米証券取引委員会(SEC)の新たな仮想通貨政策が市場で過小評価されており、仮想通貨価格にはまだ上昇余地があるという。

SECのポール・アトキンス委員長は、7月31日に行われたアメリカ・ファースト政策研究所での講演内容を公開。講演では、ブロックチェーン技術が今後の金融市場にどのように統合されていくかについて語った。

ホーガン氏は火曜日、この講演について「完全に意表を突かれた」Xで述べ、市場がこのビジョンをすでに織り込んでいるのかどうかを疑問視した。

「これまで読んだ中で最も強気な仮想通貨関連文書が、Xにいる素人ではなく、SECの委員長によって書かれていたという事実に驚いた」

「この講演を読んで、仮想通貨に資本を大きく配分しようと思わない金融関係者がいるとは想像できない」とホーガン氏は述べている。

仮想通貨市場は、仮想通貨に前向きな姿勢を示すトランプ米大統領の就任以降、大きく上昇。1月20日にゲーリー・ゲンスラー前委員長が退任し、トランプ氏が政権を握った直後にビットコインは史上最高値を更新した。

4月21日にはポール・アトキンス氏が新委員長に就任し、再び急騰。就任後、SECは仮想通貨企業に対する長年の執行措置を取り下げ、最近では仮想通貨に関する明確な規制を整備する「プロジェクト・クリプト」を開始している。

それでもホーガン氏は、市場がSECの変化の重大さをまだ十分に織り込めていない可能性があると指摘する。

「もっと大きく考えて、もっと早く動く必要があると実感している。私ですら織り込めていなかったのだから、他の投資家もまだ織り込んでいないのではないか」

アトキンス氏の仮想通貨ビジョンとは

アトキンス氏は講演で、SECがオンチェーン市場の成長を妨げないよう、どのようにルールや規制を設計すべきかを模索していることを明らかにした。

ホーガン氏は「まるでSEC委員長が過去10年間に仮想通貨支持者が提案してきたアイデアをすべて詰め込み、しかもそれをSECがどう実現できるかの詳細まで盛り込んだような講演だった」と評した。

「投資家にとって非常に多くの示唆がある内容で、このビジョンを基にベンチャーキャピタル会社を立ち上げて、示された機会をすべて掴んでいけるレベルだ」

ブロックチェーンとスーパーアプリが成長の柱に

ホーガン氏は、講演の中でアトキンス氏が「株式、債券、ドルなどあらゆる資産がパブリックブロックチェーンに移行する」と語った点に注目した。

「資産の大半がパブリックブロックチェーンに移るというのなら、そのブロックチェーンにエクスポージャーを持ちたいと思うのは当然だ」

また、アトキンス氏が言及した「スーパーアプリ」についても、すでにコインベースやロビンフッドがその方向性を取り入れており、今後大きな成長が期待される領域だとした。

「断言してもいいが、こうした企業のどれかが、世界最大の金融サービス企業になる可能性がある。1兆ドルを超える初の金融企業になるかもしれない。アトキンス氏はそのためのロードマップを示したのだ」

明確な規制でDeFiも躍進か

さらにホーガン氏は、分散型金融(DeFi)もSECの友好的な姿勢によって大きく成長すると予想している。

アトキンス氏は、DeFiがこれまで不明確で敵対的な規制環境の中で苦しんできたが、今後は金融の未来において重要な役割を担うと明言した。

「規制の明確化が進めば、DeFiの成長は10倍、50倍、100倍にもなりうる。従来の金融市場と仮想通貨市場が融合していく中で、そこには巨大な機会が広がっている」

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