欧州中央銀行(ECB)が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入するまでには、少し時間がかかるかもしれない。

ブルームバーグとのインタビューの中で、ECBのラガルド総裁は、デジタルユーロの将来を決定するための複雑な意思決定プロセスについて説明した。

ECBは、デジタルユーロの協議プロセスで受け取った8000件以上の回答の分析をまもなく発表する。「それは、主要なプレイヤーの1つである欧州議会、および欧州委員会や私たちの政策理事会に報告される」とラガルド氏は述べている。

その協議に基づき、欧州議会での作業と並行して、ECBの政策理事会は2021年半ばまでにCBDCの実験を開始するかどうかを決定する。

ラガルド氏によれば、最初の実験フェーズに続き、政策理事会はデジタルユーロを展開するかどうかについて6ヶ月もしくは1年間の評価を行う予定だ。

「現実的に考えてみよう。プロセス全体にはさらに4年、おそらくもう少し時間がかかると思う。しかし、4年以内にすることができるように願っている」と、ラガルド氏は付け加えた。

「それは技術的な試みであり、根本的な変化でもある。それは、正しく行う必要があるからだ。私たちは欧州の人々に対して責任を負っている。彼らにとって安全で安心である必要がある。〔…〕私たちはシステムを壊さず、システムを強化する必要がある」

ラガルド氏はまた、一部の金融仲介機関がECBによるCBDC立ち上げについて懸念を表明しているとも語った。同氏は、これらの仲介機関は「引き続き利用可能である」現金だけでなく、新しいエコシステムとも共存し続けるだろうと述べた。