英金融大手バークレイズが、先週から仮想通貨取引所バイナンスへの支払いをブロックしているという報告が顧客から寄せられている。バークレイズカードによる仮想通貨取引所への支払いは、連絡があるまで許可されないという通知があったという。

仮想通貨投資ダッシュボード「ウェルス・コード」の共同創業者で、ツイッターのアカウント名「Lee」氏は、5日にバークレイズからの通知を掲載した。

「今年、バイナンスへの支払いを行った方にお知らせします。追って通知があるまでバイナンスへのクレジット/デビットカードによる支払いを停止します。これは、お客様の資金を安全に保つための措置です。詳細については、FCA Binanceをオンラインで検索してください。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

Lee氏は上記のバークレイズからの通知について、「くそったれ!顧客を失うことになるぞ。お前らに金を使う場所を決める権利なんてないはずだ」とツイート。Lee氏以外にもバークレイズへの不満を多くのユーザーが投稿した。

こうしたユーザーからの発言を受けて、バークレイズはツイッター上で対応。同行のツイッターアカウントは「バイナンスと仮想通貨一般への投資に関する情報」として、英国の金融行動監視機構(FCA)のウェブサイトを参照するように促した。

今回の動きは6月26日にFCAがバイナンス・マーケッツ・リミテッド(BML)に対して、警告を出したことがきっかけだ。FCAは同時に仮想通貨に投資すること自体にもガイダンスを発出した。

一方でバイナンスは、7月1日にFCAが警告したBMLは別の事業・法人であり、FCAの差し止め命令はBinance.comが英国の居住者向けに取引を行うことを禁止するものではないと主張した。

バイナンスの広報はコインテレグラフに対し、「バークレイズは不正確な理解」で一方的に行動していると批判した。

「FCAの通知は英国で法人化され、FCAの規制を受けているBMLであり、BMLはバイナンスのメインウェブサイトを通じてサービスを提供していない」とし、メインのウェブサイトでのユーザーの預金などに影響はないという。さらに今回の問題を受けて、バークレイズとのオープンな対話を行うと話した。

「当社は、コンプライアンスの義務を非常に真剣に受け止めている。消費者を保護し、イノベーションを促進し、業界を前進させる政策を形成するために、規制当局と協力していくことを約束する」

FCAの警告によって、バークレイズだけでなく、モンゾ銀行やスターリング銀行などもバイナンスやそのほかの仮想通貨取引所への支払いをブロックし始めている。

バイナンスに対しては日本の金融庁も未登録で仮想通貨事業を行なっているとして警告を発出している。