ビットコインが過去最高値11万1970ドルを目前に足踏みを続けるなか、トレーダーたちは現在の水準での買いに慎重な姿勢を見せている。ビットフィネックスのアナリストによれば、明確なマクロ要因や新たな材料が不足しており、強気派も積極的に価格を押し上げることができない状態が続いている。
「強気派は新しい材料やマクロ経済の明確なシグナルがなければ、価格を大きく押し上げることに慎重になっているか、あるいはその余力がない」とビットフィネックスは8日の市場レポートで指摘している。現在のビットコイン(BTC)は、5月22日に記録した最高値を目前にしながらも、勢いを欠いた状況が続いている。
最高値更新なら16.3億ドル分のショートが清算
「この状況は、価格上昇の継続的な強さが欠けていることを示している」とアナリストは述べている。記事執筆時点でビットコインは10万8560ドル前後で取引されており、過去7日間で2.15%上昇している。
過去最高値の11万1970ドルは現在の価格からわずか3.14%上の水準にすぎないが、この水準を突破すれば、コイングラスのデータによれば、16億3000万ドル相当のショートポジションが清算される可能性がある。
6月22日には中東の地政学的リスクが高まるなか、一時的に10万ドルを割り込んだビットコインだが、その後すぐに反発して大台を回復。しかし、その上昇の勢いはすでに鈍化している。
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市場は「繊細な均衡状態」にあるとの見方
ビットフィネックスのアナリストは、現在の市場構造を「繊細な均衡」と表現している。
利確圧力はやや後退しているものの、買い意欲の低下が続いており、多くのトレーダーが明確な方向感を見極めようと様子見の姿勢を取っているという。
ビットコインは6月23日以降、10万〜11万ドルの狭い保ち合いレンジにとどまっており、参加者の間で方向感が乏しいことを示している。
「全体のトレンドは足踏み状態にある。持続的な上昇の勢いがないことは、買い手側の慎重さを反映している」と分析チームは述べている。
「利確圧力の減退と、ブレイクアウトに至らない推移が共存している今の状況は、新たな材料による次の展開を市場が待っている、均衡状態の表れだ」とまとめた。
SNSでは強気ムードが上昇
一方で、ブロックチェーン分析プラットフォームのサンティメントのデータはやや異なる様相を示している。火曜時点のデータによれば、ビットコインに対するSNS上の強気コメントは過去3週間で最も多く、弱気コメント1件に対して強気コメントが1.51件となっている。
ただし、サンティメントのアナリスト、ブライアン・クインリヴァン氏は、こうした強気ムードの急騰が、6月11日や7月7日のような下落局面の直前にも見られた点に注意を促している。
一方、デジタル資産企業Yellowの会長であるアレクシス・サーキア氏は、地政学的緊張や貿易摩擦の緩和により、市場の心理が「恐怖」から「中立〜強気」へと変化しつつあると指摘した。
「ビットコインやイーサリアム、XRPのような他の仮想通貨も、経済的不確実性に対するヘッジ手段として、金と同様の扱いを受け始めているようだ」とサーキア氏は語った。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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