世界の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の新しいランキングが登場した。サンドダラーをリリースしたバハマがリテールアプリケーションでトップとなっている。

コンサルティング企業PwCがまとめた「CBDCグローバルインデックス」は、リテールアプリケーションと、銀行間アプリケーションの2つについて、プロジェクトの成熟度のレベルを調査した。

リテールアプリケーションとは、個人や企業がデジタル現金の形で直接保有および取引できるCBDCのことを指す。一方、銀行間アプリケーションもしくはホールセール型CBDCは、金融機関間の決済のためだけに使われる。

PwCのブノワ・シュロ―氏は、「60を超える中央銀行が既に中央銀行デジタル通貨の競争に参加している」と指摘し、CBDCを「市民と企業に代替支払ソリューションへのアクセスを提供するゲームチェンジャーだ」と説明した。

リテールCBDCランキングでは、バハマが100点満点中92点という評価を得て、1位となっている。2位はカンボジアで83点、その次は中国(75点)、ウクライナ(71点)と続いている。

バハマは2020年10月にサンドダラーの導入が成功している。バハマ中央銀行の支援を受けたサンドダラーは、認可された金融機関を通じて発行される法定通貨のデジタル版だ。PwCは次のように説明している。

「すべての居住者は、モバイルアプリケーションもしくは物理的な決済カードを介してデジタルウォレットにアクセスできる。収入や支出の情報など、デイリーオペレーション中に収集された記録は、マイクロローンの申請をサポートすることもできる」

バハマのサンドダラーは様々なウォレットプロバイダー間の相互運用性を確立するために動いている。商業銀行システムとの統合を段階的に進めていく計画だ。

銀行間CBDC(ホールセール型)の成熟度ランキングでは、タイと香港が主導しており、どちらも100点満点中で80点を達成している。シンガポールが3位で75点、カナダ(69点)、英国(68点)、フランス(64点)となっている。