ウォール街出身のケイトリン・ロング氏が率いるアヴァンティ(Avanti)は、10月28日、米国中部のワイオミング州で銀行設立の免許を取得したと発表した。デジタル資産のカストディ(資産管理)サービスとトークン化された米ドル「Avit」の発行するビジネス計画にゴーサインが出た。

仮想通貨業界で銀行設立の許可を受けたのは、仮想通貨取引所クラーケンの「クラーケン・フィナンシャル」に次いで2番目。顧客向けにサービス開始するのは2021年初頭を予定している。

当初は、一定以上の資産を持つ顧客が対象になる。

「現在のところ、デジタル資産と米ドル間における最終的かつ同時のトレード決済を提供できる米国の金融機関の種類は、(同じ法的な実体から対処できるように承認されている唯一の種類であるため)アヴァンティのようなワイオミング州の特別目的委託銀行機関(SPDI)だけだ」

アヴァンティの仮想通貨銀行構想

アヴァンティの目標は、公式サイトによると、「米ドル決済システムへの法令遵守を前提とした橋渡しと機関投資家が要求する厳しいカストディ基準を満たすデジタル資産のカストディアンになること」だ。

アヴァンティの銀行設立免許の申請は今年7月にワイオミング州に受け取られた。アヴァンティは、ビットコイン関連技術を開発するブロックストリーム社からインフラ技術の提供を受けている。ロング氏は2019年のクリスマスにブロックストリームのアダム・バックCEOと電話したときにアヴァンティの構想を思いついた

「クリスマス休暇でアダム・バック博士と長い電話会議をした。そこで、ブロックストリーム社とアヴァンティが、巨大な機関投資家を対象にビジネスをする上で理想的なパートナーであることがはっきりした。彼らは米ドル市場におけるビットコイン周りのサービスを受けるために規制された銀行を必要としている」

クラーケンは今年9月、ワイオミング州からSPID設立の認可を受けたと発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン