ウォール街出身で仮想通貨肯定派のケイトリン・ロング氏が、仮想通貨とブロックチェーン業界に注力する新たな銀行「アヴァンティ(Avanti)銀行」を立ち上げると発表した。ビットコイン技術の開発を手がけるブロックストリーム社が設立をサポートする。

アヴァンティ銀行は2021年のはじめ頃に米国のワイオミング州でオープンする予定。「仮想通貨業界のトップ人材と伝統的な金融業界の革新的な人と創業した」という。

ブロックストリーム社からインフラ技術の提供を受け、デジタル資産のカストディ(資産管理)サービスを提供するという。アヴァンティの目標は、公式サイトによると、「米ドル決済システムへの法令遵守を前提とした橋渡しと機関投資家が要求する厳しいカストディ基準を満たすデジタル資産のカストディアンになること」だという。

ロング氏は、去年のクリスマス休暇にブロックストリーム社代表のアダム・バック氏との電話会議の中でアヴァンティの構想にたどり着いたと述べた。

「クリスマス休暇でアダム・バック博士と長い電話会議をした。そこで、ブロックストリーム社とアヴァンティが、巨大な機関投資家を対象にビジネスをする上で理想的なパートナーであることがはっきりした。彼らは米ドル市場におけるビットコイン周りのサービスを受けるために規制された銀行を必要としている

またロング氏は、アヴァンティ銀行が将来的にはビットコイン以外のデジタル資産も対象にする方針を示した。

「もし機関投資家がアヴァンティに対してビットコイン以外の仮想資産サービスの提供を求めたら?もちろん、イエスだ。もし機関投資家が要求するならば、そして、もし我々のエンジニアが安全に実現できて法律などのリスクに対処できるなら、アヴァンティは提供するだろう」

ロング氏は、モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、ソロモン・ブラザーズなどで22年間にわたりウォール街の大手銀行をわたらり歩いた。2012年からビットコイン関連で積極的に活動をしている。

仮想通貨フレンドリーなワイオミング州

ワイオミング州は、仮想通貨フレンドリーな州として知られている。

今年1月には、米国ワイオミング州議会下院の委員会が、仮想通貨とブロックチェーン関連で2つの法案を可決。「個人の無形財産として一定の消費価値がある特定のブロックチェーントークン」を新たな資産クラスと定義し、ブロックチェーン技術の発展のため規制サンドボックスの設置を目指している。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン