オーストラリア・ナショナル証券取引所(NSXA)を運営するNSXは、即日決済可能なブロックチェーンベースのプロジェクトを目指し、決済承認サービスのiSignthis (ISX)と共同でベンチャーを立ち上げた。2月20日に発表した。
新たなベンチャー「クリアペイ(ClearPay)」は、複数の取引所間での共有取引に向けた、複数通貨でリアルタイムの即日決済を提供することを目指す。既存の伝統的な国内外の証券取引所が提供する決済処理システムに取って代わるよう構築されたDvP(デリバリー対支払い)プラットフォームの開発をするとしている。
分散型台帳技術を活用して、処理時間を3日間から1日もしくは翌日までに短縮する。オープンブロックチューン基盤のサブレジストリーシステムも組み込む。
クリアペイのブロックチェーン基盤のデジタル・エクスチェンジ・サブレジスター・システム(DESS)は、同国最初の同システム「クリアリング・ハウス・エレクトロニック・サブレジスター・システム(CHESS)」と競うものになるとしている。CHESSは2017年にオーストラリア証券取引所が導入。現在市場では独占状態にある。
iSignthisがKYCで協力
NSXはクリアペイに320万豪ドル(約2億3500万円)出資し、株式41%を取得。iSignthis が59%を保持。iSignthis が知的財産を提供し、子会社のプロバンクス・ソリューションズが、ペイデンティティとISXペイのプラットフォームの統合も含め、DvPプラットフォームを構築する。
ISXのCEOでクリアペイのCEOも務めるジョン・カランジス氏は、iSignthisは決済と顧客確認(KYC)サービスの専門として貢献するとし、オーストラリア市場に競争力をもたらすと強調している。
「クリアペイが豪州の現物株エコシステムに真の競争力をもたらすことは、非常にエキサイティングだ。iSignthis は広範な決済とKYCサービスに関する高度な技術をNSXAに提供する」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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