複数の仮想通貨アナリストによれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した製造業データが過去最悪レベルとなったことを受け、ビットコイン(BTC)の価格が短期的に下落する可能性がある。
4月17日、フィラデルフィア連邦準備銀行が発表した製造業景況指数は、全米250社の製造業者を対象とした調査で、2020年以来最大の業況悪化を示した。
仮想通貨取引所ビットユニックスのリサーチチームは、「このデータはビットコインに短期的な下押し圧力を与えている」とXで指摘した。ただし、1BTCあたり8万3000ドルを維持できれば「強い反発もあり得る」との見方も示している。4月18日時点で、ビットコインは約8万4000ドル付近で推移している。
FRBの報告によると、「総合業況、新規受注、出荷のいずれもがマイナスに転じ、今後6か月間の成長見通しも弱い」とされる。これは、トランプ大統領が打ち出している関税政策の影響を反映したものとみられる。関税が製造コストを押し上げることで、米国内の生産活動がさらに低迷する可能性があるためだ。
ブロックワークスのマクロ経済アナリスト、フェリックス・ジャウヴィン氏は、「経済活動は急激に縮小しているのに、残っている活動では価格が上昇している」と指摘し、「これは政策担当者にとって最悪のシナリオ」と表現した。
モノの価格が上昇するインフレは中央銀行による景気刺激策の余地を狭めるため、仮想通貨を含む金融市場には逆風となる可能性がある。
粘り強さを見せるビットコイン
一方で、ビットコインはこうしたマクロ経済ショックに対して、株式や他の仮想通貨よりも高い耐性を見せているとバイナンスは4月7日のレポートで分析している。
4月2日の関税案発表以降、ビットコインは一時10%以上の下落となったものの、その後はおおむね横ばいで推移している。
「最近の関税発表後においても、ビットコインは一定の回復力を示しており、従来のリスク資産が下落した日にも安定または反発する傾向を見せている」とバイナンスのレポートは述べている。