主要なプライバシーコインが、市場全体の低迷を尻目に上昇を続けている。投資家の間で、匿名性を重視する資産への需要が高まっている。
ジーキャッシュ(ZEC)は金曜、過去24時間で7.6%上昇し、8年ぶりとなる388ドルに達した。コインマーケットキャップのデータによると、執筆時点の時価総額は62億ドルに達し、ライバルのモネロ(XMR)を上回り、最も価値の高いプライバシー通貨となった。
ZECはこの1週間で45%上昇し、仮想通貨市場全体の保ち合い局面を完全に無視する形となった。
この急騰は、取引情報を秘匿できるプライバシー重視のコインに対する投資家の関心が再燃していることを示している。
ジーキャッシュやモネロといったプライバシーコインは、送金者、受取者、取引内容を暗号化して非公開にすることで、ビットコイン(BTC)のような通貨よりも高い匿名性を実現している。ビットコインの取引はブロックチェーン上で追跡可能だが、プライバシーコインはウォレットアドレスや取引履歴を秘匿する設計となっている。
アーサー・ヘイズ氏のZEC1万ドル予想
ZECが8年ぶりの高値をつけた背景には、ビットメックス共同創業者アーサー・ヘイズ氏による強気予想もある。
ヘイズ氏は今週初め、ZECが1万ドルに達する可能性があると発言し、トークンの注目度を一気に高めた。ZECはこの発言直後、272ドルから355ドルまで急騰。その後も上昇基調を維持している。
一方で、大口投資家(クジラ)の一部はZECの売却を進めている。仮想通貨分析プラットフォームのナンセンのデータによると、ZECの保有者数は過去1週間で63%増の1968人に達したが、クジラウォレットは約70万2000ドル相当のZECを売却した。
ムーンロック・キャピタルの創業者サイモン・デディッチ氏は「ZECがたった2か月で10倍になったのは信じられない出来事だ。市場全体のセンチメントを完全に無視している」と指摘する。
さらに同氏は「これは“シットコイン”ではない。数十億ドル規模の資産だ。 それだけに、このパフォーマンスは驚異的だ」と続けた。
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