匿名の仮想通貨トレーダーが取引所MEXCによって約300万ドル相当の資産を凍結されたと報告してから約3か月後、MEXCの幹部が公に謝罪し、資産を解放した。
MEXCのチーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)であるセシリア・シュエ氏は、金曜のX投稿で「我々はこの件の対応を完全に誤った」と述べ、仮想通貨トレーダーのホワイト・ホエール氏への対応を謝罪した。MEXCは7月、同氏の資産310万ドルを「リスク管理ルール」に基づき凍結していた。
「ホワイト・ホエール氏に謝罪する。彼の資金はすでに解放されており、いつでも引き出し可能だ。私は彼とのコミュニケーションを誤り、感情的になってしまった。そうするべきではなかった」とシュエ氏は述べた。
MEXCの対応を受け、ホワイト・ホエール氏は8月、MEXCを標的にした200万ドル規模のソーシャルメディア・キャンペーンを開始。その後、MEXC側から「問題解決のためマレーシアに来るよう」求められたとして、資金を250万ドルに増額したと明かした。
利用者の不信感は残る
ホワイト・ホエール氏はシュエ氏の投稿に対し、「謝罪はありがたいが、何について謝っているのかが明確でなかった」と反応した。「当初、彼らは公にマネーロンダリング防止(AML)違反を理由に私を犯罪者扱いし、最近ではそれが誤りと証明された後も詐欺師呼ばわりした。それについて説明してほしかった」と述べた。
同氏は「まだ終わっていない」として、同様の被害を受けた他のユーザー数百人の資金回収にも取り組む意向を示した。また、今回解放された300万ドルの「100%」をソーシャルメディア・キャンペーンの支援者2万人と非営利団体に分配すると表明した。
「普通のユーザーなら、こうした状況で太刀打ちできない」とRedditユーザーのEffective-Impact8054は指摘した。「ホワイト・ホエール氏が資金を取り戻せたのは良いことだが、MEXCが正当なトレーダーの資金を数か月間も凍結し、ネットの圧力がかかって初めて対応したという事実は変わらない」と述べた。
ナンセンのデータによると、シュエ氏の投稿後、MEXCのトークンMXは約3.5%下落し、記事執筆時点で2.30ドルから2.22ドルに下がった。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】