米金融大手ウェルズ・ファーゴのベンチャー部門であるウェルズ・ファーゴ・ストラテジック・キャピタルは、マネーロンダリング対策(AML)など金融犯罪防止用ブロッックチェーン監視サービスを展開するエリプティックに、500万ドル(約5億5000万円)を出資した。2月13日に発表した。
今回の出資で、エリプティックのシリーズBの調達額は、2800万ドル(約31億円)以上に達した。過去には日本のSBIグループやスペインのサンタンデール銀行の投資部門であるサンタンデール・イノベンチャーズなどが出資している。
エリプティックは、調達した資金で大手金融機関向け商品などを構築する。今後、アジアでの拡大も目指すとしている。
また、銀行専用ツール「エリプティック・ディスカバリー」の開発もすすめるとしている。同ツールは、200以上の大手仮想通貨取引所のデータを基に、取引所の所在国や法規制対応状況などの把握、取引所が処理した仮想通貨の由来といったリスク情報を管理できるという。
マネロン対策が焦点に
過去1年間、世界各国で仮想通貨関連のマネーロンダリング対策が大きな焦点となっている。
昨年6月、マネロン対策の政府間組織である金融活動作業部会(FATF)は、仮想通貨関連を含むグローバルな規制枠組みを公表。マネロンのリスクに焦点を当て、特に本人確認の強化を義務付けている。
欧州連合(EU)は今年1月、新しいマネロン規制である第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)を発効した。これは仮想通貨関連事業者に対して、マネーロンダリング対策の遵守を要請する内容を含んでいる。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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