マネーロンダリング対策(AML)など金融犯罪防止用ブロッックチェーン監視サービスを展開するエリプティック(Elliptic)が12月11日、銀行専用ツール「エリプティック・ディスカバリー」を発表した。200以上の大手仮想通貨取引所のデータを基に、取引所の所在国や法規制対応状況などの把握、取引所が処理した仮想通貨の由来といったリスク情報を管理できるという。
2013年以降に収集されたデータを基に管理
エリプティック・ディスカバリーは銀行専用として設計され、仮想通貨に関する資金の流れや取引所から流出した仮想通貨の経路捕捉、AMLなどのリスク評価を提供。エリプティックが2013年以降に収集・構築したデータを基に、仮想通貨取引所を介した仮想通貨のエクスポージャー(市場の価格変動リスクの影響を受ける資産の割合)に関するリスクを識別・評価できるそうだ。
仮想通貨市場の可視性欠如の解消目指す
エリプティックのCEO兼共同設立者ジェームス・スミス氏によると、仮想通貨エコシステムに対する可視性が金融機関において欠如しており、それに対処できるようエリプティック・ディスカバリーを開発したという。
この可視性の欠如により、銀行は「仮想通貨のエクスポージャーによってもたらされる実際のリスクを認識していない」ため、新たな資産クラスに対する不寛容さを示す「ゼロ・トレランス」、さらには「顧客の不満」を招いたと主張した。
またスミス氏は、銀行がリスクを評価する際に考慮する仮想通貨取引所にはさまざまな種類が存在することを指摘した。
「エリプティック・ディスカバリーは、銀行が顧客の仮想通貨取引に光を当て、リスクベースのアプローチを採れるようにする。(中略)すべての取引所が類似していることはないため、銀行がエリプティック・ディスカバリーによって取引所を選別し、そのリスク評価に基づき密接に連携できる機会をつかめるようにする」
コインテレグラフは、どの銀行が同社サービスの利用意向を示しているかエリプティックに問い合わせを行っており、コメントがあり次第記事の更新を行う予定だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン