USバンコープがステラ・ブロックチェーン上でステーブルコインのパイロット実験を開始した。ステーブルコイン技術に取り組む銀行が増える中、同社もその流れに加わった形だ。

今回の実証実験は、コンサルティング企業プライスウォーターハウスクーパース(PwC)およびステラ開発財団(SDF)と協力して進められる。

ステラ開発財団は火曜、「結論として、金融機関はすでにこの領域に参入している。新たな金融インフラがまさに今形成されつつあり、USバンク、PwC、SDFはデジタルバンキングの次の波を解き放つために取り組んでいる」と述べた

USバンコープはUSバンクの上場持株会社であり、同行は6640億ドル超の運用資産を持ち、年間収益は275億ドル以上に達しているという。

Source: Stellar

銀行におけるブロックチェーンの有用性を示す

PwCでディレクター兼ブロックチェーンリードを務めるカート・フィールズ氏は、火曜に配信されたUSバンクのポッドキャスト「Money 20/20」で、今回のパイロット実験の主目的は「銀行レベルの信頼性を備えた環境で、ブロックチェーンの有用性を示すこと」だと語った。

「ブロックチェーンについては何年も語られてきたが、もはやイノベーションの段階は過ぎた」とフィールズ氏は述べた。

「今重要なのは、厳格で高度に規制された環境において、その実用的な活用を示すことだ。今回のケースではステラ・ネットワーク上のオンチェーンツールを活用し、プログラム可能なマネーが、金融機関だけでなく、その顧客にも利益をもたらすことを証明しようとしている」

ステラの採用理由は「資産凍結」などの機能

ステラ・ネットワークは2014年にローンチされたオープンソースの分散型ブロックチェーンで、国際送金や資産トークン化に特化している。

USバンクでデジタル資産プロダクト責任者を務めるマイク・ヴィラノ氏は、同社が今回の実証実験にステラを選んだ理由として、トランザクションの巻き戻し(unwinding)や取り戻し(clawback)が可能である点を挙げた。

ヴィラノ氏は、ステラの「基盤となるオペレーション層において資産を凍結し、取引を巻き戻すことができる能力」が、顧客保護の観点から重要だったと説明した。

「これらの機能は、通常はビジネスロジック側に書き込むものだが、今回のケースではブロックチェーンのコア層で実現できる。それが非常に興味深いポイントだった」と同氏は語った。

トークン化資産の研究も進行中

ヴィラノ氏はさらに、USバンクがトークン化資産にも注目しており、現在リサーチ段階にあると明らかにした。

「高速で、24時間365日稼働し、効率的に移動できるという価値提案をさまざまな資産クラスに適用できるとすれば、可能性は大きい」と同氏は述べた。「その研究がどんな方向に進むか、非常に期待している」。

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