2020年も折り返し地点を過ぎた。新型コロナとそれに伴う経済大失速、原油先物のマイナス価格などまさにサプライズづくしの半年だった。仮想通貨ビットコイン(BTC)も世相を反映するように乱高下した。
7200ドル付近で2020年をスタートしたビットコインは、3月13日の大暴落で3600ドル付近まで急落。NY時間では3月12日木曜日だったことから、「ブラックサーズデー」と呼ばれている。その後は、1万ドルを数回回復したが1万500ドルの壁に毎回跳ね返された。現在は、9200ドル付近で横ばいでの推移が続いている。
2020年の前半のビットコインは、30%近くのプラスだった。
メサーリ共同創業者のライアン・セルキス氏は、予測できないことが多発した2020年前半が終了したことを受け、2020年注目の人物10選を再考している。
(出典:Coin360 「ビットコイン/米ドル(半年)」)
仮想通貨人物トップ10再考
セルキス氏は、2019年12月時点で「2020年に注目すべき仮想通貨人トップ10」を以下のように発表していた。
- バイナンス ジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)
- ツイッターとスクエア ジャック・ドーシーCEO
- フェイスブックのリブラ共同創設者 モーガン・ベラー氏
- コインシェアーズ最高戦略責任者(CSO)メルテム・デミローズ氏
- 「米議会最強の批判者」ブラッド・シャーマン下院議員
- 米仮想通貨最強弁護士 ブライアン・クレイン氏
- メーカーダオ共同創設者 ルーン・クリステンセン氏
- 匿名通貨ジーキャッシュ ズーコ・ウィルコックスCEO
- トロン創設者 ジャスティン・ソン氏
- ビットコインポッドキャスター ピーター・マコーマック氏
かつて前例のない半年が経過した後、セルキス氏は最新のニュースレターの中で、「CZとジャック、モーガン、メルテム、ズーコに関しては予測は変わらない」と主張。ただ残りの5名に関しては、予想が揺らいでいるとし、以下のように理由を述べた。
・「米議会最強の敵」ブラッド・シャーマン下院議員
→「他の議員と同じように、今は仮想通貨撲滅より大きな優先事項がある。代わりに民主党の大統領候補だったアンドリュー・ヤン氏がダークホースになる可能性」
・米仮想通貨最強弁護士 ブライアン・クレイン氏
→「(シャーマン議員と同じ理由で)仮想通貨系の係争に興味を持つ人はいなくなってきている。代わりに仮想通貨と新型コロナ双方の専門家であるバラジ氏がダークホースになる可能性」
・メーカーダオ共同創設者 ルーン・クリステンセン氏
→「ルーンは、最近、コンパウンドのロブに追い詰められている。分散型金融(DeFi)の頂上決戦で彼はどのように反論するだろうか?」
・トロン創設者 ジャスティン・ソン氏
→「まだ見ていられるが、新たなカオス的な環境で彼のジョークは通じなくなってきている。なぜクリス(Crypto.com)じゃダメなんだ?最近彼のトークンはトップ10入りした」
・ビットコインポッドキャスター ピーター・マコーマック氏
→「ポンプ(アンソニー・ポンプリアーノ氏)との間で揺れ動いている。ポンプの株は上昇し続けている」
シャーマン議員とクレイトン氏に関しては、米国の政治状況を大きく表しているだろう。新型コロナ対応や大統領選で「正直仮想通貨どころではない」というのが本音かもしれない。
また、クリステンセン氏に関しては、コンパウンドにDeFiトークンのトップの座を奪われた影響は避けられないだろう。
ソン氏は、CZとの仲の良さをアピールしたり投資の神様ウォーレン・バフェット氏とランチを食べたりと何かとマーケティングがうまい印象がある。その手法は、平和な時代ほど注目されなくなってきているのかもしれない。
ポンプの発言は、コインテレグラフジャパンでも頻繁に取り上げている。ビットコインが3月に大暴落した時も誰よりも早くニュースレターを更新し、なぜビットコインが今こそ買いなのか冷静にそして情熱的に解説していた。