スタンダードチャータード銀行は、現実世界資産(RWA)のトークン化市場が今後3年で累計2兆ドルに達する可能性があると予測した。資本と決済が効率的なブロックチェーン基盤へ移行する動きが加速しているためだという。

同行がコインテレグラフに共有した木曜発表のレポートでは、「信頼を前提としない」分散型金融(DeFi)の構造が、中央集権的に管理される従来の金融(TradFi)システムを揺るがす可能性があると指摘した。

スタンダードチャータードは、決済および投資分野でのDeFiの利用拡大が、ステーブルコイン以外のトークン化RWA市場を2028年までに2兆ドル規模へ押し上げると見込んでいる。

内訳としては、マネーマーケットファンドに7,500億ドル、トークン化された米国株に7,500億ドル、トークン化された米国ファンドに2,500億ドル、さらにコモディティ、社債、不動産など流動性の低いプライベートエクイティ分野に2,500億ドルが流入すると試算している。

同行のデジタル資産調査部門責任者ジェフ・ケンドリック氏は、「ステーブルコインの流動性とDeFiバンキングは、RWA市場が急速に拡大するための重要な前提条件だ」と述べ、「今後数年でRWA市場は指数関数的に成長する」と強調した。

RWA.xyzのデータによれば、現在の累計市場規模は350億ドルであり、2兆ドルへの拡大は3年間で57倍以上の成長を意味する。

Source: RWA.xyz

ステーブルコインがDeFiの自律的成長を後押し

ステーブルコインの供給量は10月3日に3,000億ドルを突破し、年初来で46.8%増加した。

ケンドリック氏は、このステーブルコインの拡大がDeFiエコシステム全体を強化しているとし、「DeFiでは流動性が新たなプロダクトを生み、新たなプロダクトがさらに流動性を呼び込む。自己強化的な成長サイクルが始まった」と述べた。

一方で、同行は規制の不確実性がRWA市場における最大のリスクだと警告。2026年の米中間選挙前にトランプ政権が包括的な仮想通貨法制を整備できなければ、成長が停滞する可能性があると指摘した。

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